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エクスファイバーUPレビュー|中級者の弧線ドライブを底上げするヤサカの新世代インナー素材ラケット

目次

この記事でわかること

  • エクスファイバーUPの基本スペックと公式情報
  • UHMWPEファイバーが打球感に与える影響
  • どんなプレイスタイル・レベルの選手に向くか
  • エクスファイバーFX・GSなど同シリーズとの違い
  • 価格相場と購入時に注目すべきポイント

ヤサカから登場した「エクスファイバーUP」は、カーボンとは違うアプローチで弧線ドライブの安定感を狙ったインナーファイバーラケットです。中級者がもう一段ステップアップしたいときに、何を選ぶかは本当に悩ましいところ。本記事では、公式スペックと各所のレビュー情報を踏まえつつ、実際に使ったときに感じやすい打球感や向き不向きを、できるだけ具体的に整理していきます。

エクスファイバーUPの基本スペック

公式サイトで確認したスペックを以下にまとめます。

項目 内容
メーカー ヤサカ(YASAKA)
カテゴリ シェークハンドラケット(攻撃用)
希望小売価格(税込) 13,200円
板構成 木材5枚合板+UHMWPEファイバー2枚(5+2構成・インナー配置)
板厚 6.5mm
平均重量 87g±
ブレードサイズ 157×150mm
グリップ仕様 100×24mm
製造国 中国
品番 YR-253(FLA/フレア)

UHMWPEは「超高分子量ポリエチレン」の略です。読みづらい名前ですが、防弾チョッキや高強度ロープにも使われている素材で、軽さと耐衝撃性を両立しています。これを2枚、木材5枚の内側に挟み込んだ構造が「インナーファイバー」です。素材を芯に近い位置に入れることで、軽打のときは木材主体のソフトな打球感、強打のときに素材の反発が効いてくる、というキャラクターになります。

板厚6.5mmはインナー素材ラケットとしてはやや厚め。木材5枚合板の標準が6mm前後なので、それより少し厚いイメージです。重量87g±はカーボン系インナーラケットと比べるとやや軽めで、振り抜きの負担が少ないクラスに入ります。

エクスファイバーUPの特徴・レビュー

一言で表すなら「カーボンほど飛びすぎず、木材ほど物足りなさを感じない、弧線のドライブが気持ちよく入るラケット」です。インナー素材のラケットは数あれど、UPはその中でもとくに「球を持つ感覚」を残しているタイプに分類されます。

特徴①:UHMWPEファイバーによる「球を掴む」インパクト

エクスファイバーUP最大の個性は、UHMWPEファイバーを使ったインナー構造にあります。カーボンやアリレートカーボンと比べると、素材の主張がかなり控えめです。打った瞬間の硬さやキンッとした弾き感はほとんどなく、木材5枚合板を一段パワーアップさせたような、しっとりとした打球感が手に残ります。

軽く合わせるツッツキやストップでは、木材ラケットに近いコントロール性能を発揮します。ボールがラケット面に乗っている時間が長いので、台上での回転調節や、低くて短いボールを止めるような繊細なプレーがやりやすいです。一方で、しっかりインパクトしたドライブやスマッシュでは、UHMWPEファイバーの反発が効き、木材単体では出せない一段階上のスピードと弧線が生まれます。

このコントラストがUPの魅力です。普段のつなぎは安心感のある木材寄り、勝負どころは素材入りの威力。中級者が「ここで決めたい」という場面で振り切れる安心感を提供してくれます。

特徴②:弧線が高く、ループドライブやカウンターで活きる安定感

UPのもう一つの強みは、ボールが自然と上に上がっていく弧線の出やすさです。板厚6.5mmという設計が、強打時の食い込みとボールを上に持ち上げる力を両立させています。

実際に打ってみると、軽打やループドライブで明確に弧線が描かれる感覚があります。回転をかけて持ち上げる動作と、ラケットの跳ね返りのタイミングが合いやすく、ネット直上を通って山なりに落ちていくボールを作りやすいです。中陣からのドライブ戦で押し負けない弾道を打ちたい選手には、これが大きな武器になります。

カウンタードライブでも、相手の球の勢いを受け止めながら自分の回転を上書きしやすいです。素材の反発が強すぎないため、相手のドライブをそのまま跳ね返してオーバーミスする、という事故が少なめ。ここはカーボン入りラケットを使ったときに「弾みすぎてアウト」を経験した人ほど実感しやすいポイントです。

特徴③:強打は直線的、軽打は弧線という二面性

UPは「インパクトの強さ」によって弾道のキャラクターが変わるラケットです。軽打やループでは弧線が高く出るのに対し、フルスイングのスマッシュやパワードライブではやや直線的な弾道になります。

これはインナー素材ラケットに共通する性質ですが、UPはとくにその切り替わりがわかりやすいです。普段は安定の弧線で粘り、ここぞというときに低く速いボールで攻め込む、という使い分けが自然にできます。

特殊素材の中ではトップシート的な弾みが控えめなので、「弾みすぎる素材ラケットは怖い」という人にも入りやすいキャラクターと言えます。逆に、ラケット側の反発で球を運んでくれるタイプを期待すると、思ったより自分のスイングで仕事をしないといけない印象を受けるかもしれません。

特徴④:細めのグリップと先端寄りの重心

UPはグリップが細身で握り込みやすい設計です。フレア(FLA)は100×24mmと数値上はやや細めの部類に入ります。手のひらが小さい選手や、指でグリップをコントロールするタイプにフィットしやすいです。

重心は先端寄りですが、グリップが深く握れるおかげで、操作性は数字ほど重く感じません。スイング時に先端の重さを感じつつ、面の角度を作る指先の感覚は残る、というバランスです。フォアドライブで前に振り抜くタイプの選手には、先端側の重さが弾道の押し出しに役立ちます。

エクスファイバーUPのデメリット・注意点

正直に書いておきたい注意点をまとめます。性能が高いラケットほど、合わない人にとっての違和感も大きくなります。

  • デメリット①:強打時の弾みは特殊素材ラケットとしては控えめ

カーボン系のラケットから乗り換えると、最初は「思ったほど弾まない」と感じやすいです。とくにスピードドライブで一発で抜き切るタイプは、もう一段上のスピード感を期待していると物足りなさを感じる場合があります。素材の力で勝負するというよりは、自分のスイングで球を運ぶラケットだと割り切って使うほうが結果が出やすいです。

  • デメリット②:練習量が少ないと威力を引き出しにくい

使用感のなかでよく挙がるのが「威力はあるが扱いに練習が要る」という声です。インパクトの強さで弾道が変わるタイプなので、スイングが安定していないと、当たりの差がそのまま球質のばらつきにつながります。週1〜2回しか卓球をしていない人は、最初の数週間で「思っていた球が出ない」と感じる可能性があります。

  • デメリット③:5+2構造の特殊素材ラケットとしては、少し厚みがあり重心が前

6.5mmの板厚と先端寄りの重心は、ブロック中心の前陣プレイヤーには重く感じることがあります。ピッチの速い卓球で素早く面を切り替えるタイプには、もう少し軽くて薄いラケットのほうが扱いやすい場面もあるはずです。

  • デメリット④:レビュー情報がまだ少なく、長期使用の声が集まりきっていない

発売されてからの期間が長くないため、ネット上の口コミや動画レビューの数はカーボン系の有名ラケットほど多くありません。情報を見比べて判断したいタイプの人には、判断材料が少なく感じられる可能性があります。

こんな選手におすすめ

  • 木材5枚合板から特殊素材入りラケットへステップアップしたい中級者

これまでのラケットの感覚を大きく変えずに、ワンランク上の威力と弧線を手に入れたい人にとって、UPは違和感の少ない移行先になります。

  • 中陣からの弧線ドライブを軸に試合を組み立てるオールラウンド型

高い弧線と球持ちを活かして、ラリーで粘りながらチャンスボールを作るスタイルとの相性が良いです。

  • カーボンラケットの「弾みすぎ」が苦手だった選手

インナーカーボンや上板カーボンで「ボールが安定しない」「ブロックが浮いてしまう」と感じていた人には、UPの落ち着いた打球感が合いやすいです。

  • ループドライブ・カウンタードライブを得意にしたい選手

ネット際で持ち上げるループや、相手の球を受け止めて返すカウンターのときに、弧線の出やすさが武器になります。

  • 練習量がしっかり確保できる中級者〜上級者

スイングが安定するほど、UPの素材入りラケットらしい威力を引き出しやすくなります。週3回以上、コーチ付きの練習を継続している人なら、伸びしろを感じやすいはずです。

こんな選手には向いていない

  • 前陣速攻でブロック・ミート中心のプレイヤー

板厚6.5mmと先端寄りの重心は、ピッチの速い前陣プレーには少し重く感じます。もっと薄くて軽い、ヘッドスピードが出しやすいラケットのほうが結果が出やすいはずです。

  • 特殊素材ならではの強烈な弾きを求める上級者

アウターカーボンの直線的なスピードや、超高反発の打球感を期待していると、UPの控えめな弾きでは物足りなさが先に来やすいです。

  • ラケットの反発に頼って打ちたい初心者

完全な初心者には、もう少し軽くてコントロール重視の合板ラケットを最初に勧めたいです。UPは中級者以上の「自分でスイングを作れる人」が真価を引き出せるラケットです。

エクスファイバーUPを使ってみての印象・評判

実際に打ってみると、UHMWPEファイバーの「主張しすぎない」素材感が一番に印象に残ります。普通の素材入りラケットで感じる、トップシート寄りの硬質な弾き感がほぼなく、最初のひと球目から木材ラケットの延長線上にいる感覚で打てます。

ループドライブを丁寧に持ち上げると、思っていたより上に弧線が描かれて、ネットを越えてから台に落ちていく軌道が作りやすいです。とくに対下回転からの最初の一発は、UPの球持ちが効いてミスが減ります。逆に、強打を打ち抜こうとすると弾道がスッと低くなります。この切り替わりが面白いところで、自分のスイングが弾道を作っているという実感が得られます。

ブロックは安定しています。素材の反発が穏やかなので、相手のドライブを面で押さえに行ったときに浮きにくく、思った場所に置きやすいです。一方で、カウンターで一気に決めにいくときは、ある程度自分から振らないとスピードが乗りません。受けに回りすぎると平凡な返球になりやすいので、攻撃の意識は持ち続けたいところです。

気になる点を挙げるなら、強打のときの「素材で打ち抜く」感覚が控えめなところです。アウターカーボン系のラケットに慣れていると、振り切ったときのスピードがもう少し欲しくなる場面があります。とはいえ、その代わりに得られる安定感とコントロール性は十分大きいので、トレードオフとして納得できる人が多いはずです。

総じて「振った分だけ正直に応えてくれる中級〜上級向けラケット」という印象です。素材ラケットだから弾むはず、という先入観で打つと拍子抜けするかもしれませんが、自分のスイングで弾道を作りたい人にはむしろ歓迎される性質です。

エクスファイバーFX・GSとの比較

エクスファイバーシリーズは2024年時点で「UP」「FX」「GS」の3モデルが揃っています。それぞれの違いを整理します。

比較項目 エクスファイバーUP エクスファイバーFX エクスファイバーGS
価格帯 13,200円(税込) 同価格帯 同価格帯
主な素材 UHMWPEファイバー フラックスファイバー(天然由来) 専用ファイバー(攻守バランス型)
板厚 6.5mm 5.9mm 中間
平均重量 87g± 82g± 中間
キャラクター 弧線・球持ち重視 ソフトで安定・回転重視 攻守バランス重視
こんな人向け 中陣ドライブ型・弧線で粘りたい 軽量・回転で勝負・ピッチを速く オールラウンドに使いたい

エクスファイバーUPは、3モデルの中では「弾道の高さと球持ちのバランス」を重視したモデルです。FXがソフトな打球感と回転のかけやすさで選ばれるラケットだとすると、UPはもう少し前向きに振り切って弧線を作るタイプ。

軽さでスイングスピードを稼ぎたい、回転重視で組み立てたいならFX、攻守バランスでオールラウンドに振りたいならGS、自分のスイングで弧線ドライブを安定して入れたいならUP、という整理が自然です。

他メーカーの近いキャラクターのラケット

参考までに、他メーカーで近いポジションに入るラケットを挙げると、バタフライのインナーフォースレイヤーシリーズの一部や、VICTASのSWAT POWER系合板の派生ラインなどが候補に上がります。共通しているのは「木材主体の打球感を残しつつ、素材で芯を強くする」という設計思想です。UPはその中で、UHMWPEというあまり卓球ラケットでは見ない素材を使った独自路線という位置付けになります。

価格・購入先

エクスファイバーUPの希望小売価格は13,200円(税込)です。ネット通販では卓球専門ショップを中心に、定価から少し下がった価格帯で扱われていることが多いです。Amazonや楽天市場でもFLAグリップが流通しており、ポイント還元やセールのタイミングを使えば実質1万円台前半でも購入できます。

特殊素材入りで定価13,200円というのは、同クラスのカーボン入りラケットと比べると平均的な価格です。仕様にUHMWPEファイバーという独自素材が使われていることを考えれば、コスパとしては妥当〜やや良好な水準と言えます。

購入先 特徴
Amazon 在庫があるときは最安値圏、Prime対応で配送が早い
楽天市場 ポイント還元で実質的に安く買える、卓球専門店の出店が多い
卓球専門ネットショップ グリップ加工やラバー貼り対応など、購入後のサポートが充実

専門ショップで買うメリットは、グリップサイズの相談や、ラバーとの組み合わせアドバイスを受けられる点です。UPは打球感がやや独特なので、初めて使うラバーとセットで購入するなら、相性の確認を含めて専門店経由のほうが安心しやすいです。

エクスファイバーUPに合わせるラバーの考え方

UPは球持ちが良く弧線を作りやすい板なので、ラバー側に「直線的な飛び」と「インパクトに対する反応の良さ」を持たせると、互いの弱点を補えます。

  • テンション系の中硬度ラバー(47.5度前後)

ヤサカ純正で組むなら、ライガンスピンやラクザX系統が候補に入ります。中硬度のテンションラバーを合わせると、軽打のときの安定感を残しつつ、強打で前に飛ばす力を補えます。

  • 粘着系ラバーとの組み合わせ

粘着ラバーの食い込みにくさを、UPの板の柔らかさが補ってくれます。回転とコントロールを軸に組み立てたい選手には、粘着系の片面構成も悪くない選択です。

  • ハイテンション系の高反発ラバー

上級者が前陣で攻めたい場合は、ハイテンション系を貼って弾みを補強する方向もアリです。ただしバランスが崩れて弾道が低くなりすぎないよう、回転がしっかり乗るタイプを選ぶと安定します。

ラバー選びでUPのキャラクターは大きく変わります。「球持ち重視のままさらに安定を取る」のか「ラバー側で弾きを足してスピードを伸ばす」のか、自分のプレイスタイルから逆算して選びたいところです。

まとめ:エクスファイバーUPはこんな人に買ってほしい

エクスファイバーUPは、木材5枚合板からのステップアップを考えている中級者と、カーボンの弾きすぎが苦手だった選手にとって、有力な選択肢になるラケットです。UHMWPEファイバーをインナーに配置することで、軽打の球持ちと強打時の反発を両立し、中陣からの弧線ドライブを安定して入れたい人にフィットします。

一方で、前陣のブロック中心型や、素材ラケットならではの一発の弾きを期待する選手には、もう少し別のキャラクターのラケットが合うでしょう。スイングがある程度安定している人ほど、UPの良さは引き出せます。

「カーボンに行くのは少し怖いけれど、木材合板からは卒業したい」「弧線ドライブで粘りながら勝ちたい」と感じているなら、UPは試す価値のあるラケットです。発売からの期間が短くて情報が出揃っていない部分はありますが、その分、専門店での試打やラバーとの組み合わせ提案を活用すれば、自分のプレースタイルに合うかどうかを判断しやすくなります。迷っているなら、いちど実際にスイングしてみてほしい一本です。

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