この記事でわかること
- エクスファイバーGSの板構成・板厚・重量などの基本スペック
- グラスファイバー搭載ラケットならではの打球感の特徴
- どんなプレイスタイル・レベルの選手に向いているか
- エクスファイバーシリーズ内(FX・UP)との立ち位置の違い
- 価格と購入時の判断ポイント
「カーボンラケットは弾みすぎて球離れが早すぎる。でも純木材だと攻撃時にもう一押し欲しい」。中級者になるとぶつかりやすい悩みです。エクスファイバーGSは、その狭間にちょうどはまるグラスファイバー仕様の一本。板構成・打球感・想定ユーザー像まで、用具に詳しい視点で掘り下げていきます。
エクスファイバーGSの基本スペック
スペックは2026年5月時点でヤサカ公式HPに掲載されている値です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メーカー | ヤサカ(YASAKA) |
| カテゴリ | 卓球ラケット(攻撃用シェークハンド) |
| 希望小売価格(税込) | 13,200円 |
| 板構成 | 木材5枚+グラスファイバー2枚(7枚合板) |
| 板厚 | 6.2mm |
| 重量 | 87g±(個体差あり) |
| グリップ形状 | FL(フレア) |
| 特殊素材 | グラスファイバー |
注目したいのが板厚6.2mmという数字。一般的な中厚ラケットとほぼ同じ厚みですが、グラスファイバー2枚を抱えていることでただの木材合板とは打感が異なります。重量87g前後はシェーク全体で見るとミドル帯。攻撃ラケットとしてやや軽めの個体に当たれば、振り抜きの速い選手にも合わせやすい設計です。
価格は13,200円。特殊素材ラケットとしては比較的手の届きやすい価格帯で、初めて特殊素材入りのラケットに踏み出す中級者の最初の一本としても候補に上がります。
エクスファイバーGSの特徴・レビュー
エクスファイバーGSを一言で表すなら「木材の打球感を残したまま反発力だけを底上げしたラケット」です。グラスファイバー特有の柔らかさと粘りが、攻めに転じたときの一発と守りに回ったときの安定感の両方を支えてくれます。
特徴① グラスファイバーが生む「硬すぎない高反発」
エクスファイバーGS最大の個性は、特殊素材にカーボンではなくグラスファイバーを採用している点です。カーボンは強度と反発を稼ぐ素材としては優秀ですが、合わせて硬さも上がりやすく、初中級者には扱いにくくなりがちです。
グラスファイバーはカーボンに比べて柔軟性に富み、振動の角がやや丸く伝わります。GSはこの素材を木材合板の外側寄り(または中層寄り)に挟むことで、純木材ラケットに近い打感を残しつつ反発係数を一段上げてくる仕様です。打った瞬間に「カキン」ではなく「コーン」と返ってくる感覚で、感触を確かめながら振りたい選手にハマります。
中級者にとって嬉しいのは、強く振ったときに球が抜けすぎないこと。木材主体の合板特有の食い込みが残っているため、力加減で弾道の高低を作る感覚を養いやすい設計です。
特徴② 攻守を切り替えやすい板厚6.2mm
板厚6.2mmはラケット全体で見ると標準的な中厚です。薄すぎないので攻撃時の反発を確保でき、厚すぎないのでブロックやツッツキでの面の安定感もキープできます。
ドライブ主戦の選手なら、引き合いに発展してもボールが減速しにくい印象を持つはずです。一方、つなぎ系の球やレシーブ局面では板の真ん中で受ける限り余計な暴れがなく、相手のスピードボールを止める動作が楽になります。
「攻めたい局面では押せる、守りたい局面では止められる」——文字にすると当たり前ですが、この両立は実際に板を変えてみると案外むずかしいポイントです。GSは板厚と特殊素材のバランスでそこをまとめている印象です。
特徴③ 弾道の高さをコントロールしやすい弾性
GSはグラスファイバーの粘りに加えて、木材合板の食い込みも残しています。結果として、ドライブを打ったときに球が低めに走る軌道と、しっかりこすって弧線を作った軌道の両方を作り分けられるラケットになっています。
スピードドライブをぶつけたいときは、振りの速さを優先すると伸びる弾道が出ます。回転を主体に組み立てたいときは、面を寝かせ気味にして擦りに行くと、しっかり山なりに乗ったループドライブが返ります。
サーブの感覚も悪くありません。グラスファイバーが球持ちを延ばしてくれるので、フェイントを入れるサーブや回転量で勝負するサーブでも、思い通りの位置で球を切る感覚が得られます。サーブから3球目で組み立てる選手の相棒として、十分に応えてくれる板です。
特徴④ 片面1枚あたり80gクラスの定番組み合わせと相性が良い
エクスファイバーGSは87g±と重すぎない設計のため、片面に40g台中盤〜後半のテンションラバーを貼っても、全体重量が180g台前半に収まりやすいです。
両面に高弾性ラバーを貼って合計175〜185g前後で運用するのが現実的なラインで、振り抜き重視の選手にも組みやすい範囲に入ります。重いラバーで一発の威力を上げたい選手は、ラケット側が軽めに振れる分、ラバーで重量を稼ぐ選択肢も取れます。
組み合わせの自由度が高いことは、中級者がプレースタイルを模索している段階では地味ながら大きな利点です。
エクスファイバーGSのデメリット・注意点
GSは扱いやすさを軸にまとめたラケットなので、トップ層の上限を狙うラケットではありません。長所と裏返しになるポイントを正直に書いておきます。
- 一発の球威:純カーボンラケットほど球速で押すタイプではない。前陣でカウンター気味に詰めるラリーでは、相手の最高球速に対して一段下のスピードで返球になりやすい
- 上級者の物足りなさ:すでにインナーカーボンや上級者向けアウターカーボンを使っている選手には、反発力の頭打ちを感じやすい。ラリーの最後のひと押しで「あと一段欲しい」となる場面が出る
- グリップ形状の選択肢:公式ラインナップはFL(フレア)中心で、ストレート派の選手にとっては選択肢が限られる。在庫状況の確認が必要
- 重量の個体差:87g±の表記からも分かる通り、製品ごとの重量バラつきはそれなりにある。買うときは可能であれば店頭で実物を確認したい
これらは「GSの欠点」というより、「GSの位置付け上、上限がここで切られている」という設計上の割り切りでもあります。中級者がフォームを固めていく時期の練習用具として見れば、不足というより必要十分な仕上がりです。
こんな選手におすすめ
- 純木材から特殊素材ラケットに乗り換えたい中級者:木材寄りの打感を残したまま反発をプラスできる
- カーボン特有の硬さが合わなかった選手:グラスファイバーの粘りで打球時の角を抑えられる
- ドライブ主戦でも守備局面の安定感を捨てたくない選手:板厚6.2mmで攻守のバランスが取りやすい
- 中級〜上級の入口でラケットを長く使い込みたい選手:価格13,200円で長期パートナーにしやすい
- フォアもバックもしっかり振りたいオールラウンド型:両面の使い勝手が偏りにくい
こんな選手には向いていない
- とにかくスピードを最優先する前陣速攻型:アウターカーボンラケットの方が一発の球速で勝る
- 弾みを抑えてブロック中心に組み立てる守備型:もう一段板厚を抑えた守備用ラケットの方が相性が良い
- すでに上級カーボンラケットを使い込んでいる選手:反発のピークが届きにくく、物足りなさを感じやすい
- 軽量ラケットでスイングスピードを稼ぎたい選手:エクスファイバーFX(82g±)の方が合うケースが多い
エクスファイバーGSを使ってみての印象・評判
実際に打ってみると、まず感じるのが「思ったより素直」という印象です。特殊素材ラケットは打球時の独特なクセが強く出るモデルもありますが、GSはどちらかと言えば木材ラケットの延長線上にある打感で、振り抜いた瞬間の違和感が少ないタイプです。
ドライブを打ったときの球の食い込み方は、純木材5枚合板のフィーリングを残しつつ、抜けてくるスピードがワンランク上。スイングを少し速めるだけで、ボールの伸びがしっかり乗ってくる感覚があります。引き合いになっても球が減速しにくく、ラリーが続く中盤以降に強さを発揮するタイプです。
ブロックの感触も悪くなく、相手の速い球をいなすように受けても、面さえ作れていれば暴れずに前に飛んでくれます。ツッツキでは、押されすぎず・浮きすぎずの中間に収めやすい板で、台上技術の安定感を求める選手にも好印象。
一方で「もう一段スピードが欲しい」という感想も実際に挙がりやすいポイントです。アウターカーボン搭載モデルの最高球速と比べてしまうと、トップギアでの一発感は控えめ。ただ、これはカーボンの硬さを避けてグラスファイバーを選んだ意図そのものなので、評価としては設計通りと言えます。
ラケット重量の個体差は実物を見て選びたい部分です。同じ87g±表記でも、振ったときの重心の感じ方は数グラムでも変わってきます。卓球ショップで実物を握れる環境があれば、軽めの個体と重めの個体を比べてみるのが安全です。
エクスファイバーシリーズ(FX・UP)との比較
エクスファイバーシリーズは、攻撃力とコントロールのどこに比重を置くかで3モデルに分かれます。GSはちょうど真ん中に位置するモデルです。
| 比較項目 | エクスファイバーGS | エクスファイバーFX | エクスファイバーUP |
|---|---|---|---|
| 価格帯(税込) | 13,200円 | 13,200円 | 13,200円 |
| 重量目安 | 87g±(標準) | 82g±(軽量) | 87g±(標準) |
| キャラクター | 攻守バランス型 | 軽量・ソフトフィーリング | 高い弧線・安定感重視 |
| 想定ユーザー | 中級者全般 | 振り抜きの速さ重視・女性選手 | 弧線で押す中級〜上級者 |
| こんな人向け | 攻守どちらも捨てたくない選手 | 軽さでスイングスピードを稼ぎたい選手 | 回転をかけて高い弧線で攻めたい選手 |
迷ったときの判断軸はシンプルです。プレースタイルの軸が「攻守バランス」ならGS、「軽さと振り抜き」ならFX、「回転と弧線」ならUP。価格は3モデル横並びなので、性能差で素直に選べる構成になっています。
中学生〜高校生のステップアップ用としても、社会人プレイヤーの長期使用ラケットとしても、GSは外しにくい一本です。
ティモボルALCなど他社中級者向けラケットとの比較
シリーズ内だけでなく、他社の中級者向け定番ラケットとも軽く比較しておきます。GSの位置付けを掴みやすくするための整理として読んでください。
| 比較項目 | エクスファイバーGS | バタフライ ティモボルALC |
|---|---|---|
| 価格帯(税込) | 13,200円 | 23,000円台(参考) |
| 板構成 | 木材5枚+グラスファイバー2枚 | 木材5枚+アリレートカーボン2枚 |
| 板厚 | 6.2mm | 5.8mm |
| 打球感 | 木材寄り・粘りあり | 弾みあり・コントロール重視 |
| こんな人向け | 木材感を残しつつ反発を上げたい選手 | 上位帯のバランス型ラケットを長く使いたい選手 |
GSとティモボルALCはどちらも「特殊素材内蔵のオールラウンドラケット」というジャンルで戦う相手ですが、価格帯が約1万円違います。ティモボルALCはアリレートカーボンの繊細な打感とバタフライらしい完成度が魅力ですが、入門ラインを少し抜けたあたりの中級者にはGSの方が懐に優しく、最初の特殊素材ラケットとしての投資としては手堅い選択になります。
価格・購入先
希望小売価格は13,200円(税込)。実勢価格は卓球ショップやECサイトの割引によって、おおよそ1万円台前半で推移しています。卓球用品の販売店ではセール時に10〜20%程度の値引きが入ることもあるので、急がなければ価格を比較して買うのが賢明です。
| 購入先 | 特徴 |
|---|---|
| Amazon | 最安値になりやすく、Prime対応で発送が早い。レビュー数で実使用者の声を確認しやすい |
| 楽天市場 | ポイント還元込みで考えると最安級になることが多い。卓球専門ショップが多数出店している |
| 卓球専門店(実店舗) | 個体差を確認できる。重量の希望(軽め・重め)を伝えて選んでもらえる場合もある |
ラケットは個体差のある商品です。重さの好みがハッキリしている選手は、可能なら実店舗で触ってから買うのが理想。難しければ、ショップにメールや電話で「軽めの個体を希望」と一声かけておくと、対応してもらえることがあります。
まとめ:エクスファイバーGSはこんな人に買ってほしい
エクスファイバーGSは、木材ラケットの感触を残したいけれど反発力はもう少し欲しい、そんなジレンマを抱える中級者にしっかり応える一本です。グラスファイバーが効いた板厚6.2mmは攻守どちらにも振りやすく、価格13,200円という設定も含めて、最初の特殊素材ラケットとして手堅い選択肢になります。
トップスピード勝負でアウターカーボンに勝てるラケットではありません。ですが「打球感を確かめながら攻撃の精度を上げていきたい」「木材の粘りを残したまま一段反発を上げたい」という目的にはぴったりです。エクスファイバーシリーズ内ではFX・UPと並ぶ真ん中のモデルで、攻守バランス型のスタイルを軸にしている選手には最も入りやすい板と言えます。
特殊素材ラケットへの最初の一歩、あるいは長く付き合える練習用ラケットを探している人は、選択肢に入れる価値があります。同価格帯の中で「木材の感触+反発」のバランスを取りに行くなら、GSは現実的な答えの一つです。
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