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イリウスS 0.5(超ゴクウス)レビュー!カット主戦型が求める安定と切れ味を高次元で両立した粒高ラバーの実力

目次

この記事でわかること

  • イリウスS 0.5(超ゴクウス)のスペックと性能の特徴
  • アブソーバースポンジヘビーとはどんなスポンジか
  • どんなカットマンに向いているか・向いていないか
  • 他の厚さやイリウスBとの違い

粒高ラバー選びは、カットマンにとって永遠の悩みです。「カットを安定させたい」という欲求と、「変化で点を取りたい」という欲求は、多くの場合ラバー選びの段階でトレードオフになります。変化重視のラバーを選べば安定を犠牲にし、安定重視のラバーを選べば変化が出にくくなる——そのジレンマを長年感じてきた方は多いはずです。

バタフライが2021年に発売した「イリウスシリーズ」は、その問いに対するひとつの答えとして設計されています。その中でも「イリウスS」は、カット主戦型の安定性を徹底的に追求したモデルです。今回紹介する「0.5(超ゴクウス)」は、スポンジ厚0.4〜0.7mmという超薄スポンジを採用した最もコントロール寄りの厚さで、相手の強打に対する抑えやすさと安定したカットの継続性を最大化しています。

誰でも扱えるラバーではありません。ある程度の技術と練習量を前提とした一枚ですが、その代わりに手に入るのは「自分の技術が素直に結果に出る」という手応えです。使いこなせたときの充実感は、他にはなかなか味わえないものがあります。

イリウスS 0.5(超ゴクウス)の基本スペック

項目 内容
メーカー バタフライ(タマス)
品番 00460
カテゴリ ツブ高ラバー(粒高)/変化系
希望小売価格(税込) 3,520円(本体3,200円)
スポンジ素材 アブソーバー スポンジ ヘビー
スポンジ硬度 45度
スポンジ厚の表記 0.5(超ゴクウス)=実寸0.4〜0.7mm
スピード 6.5
スピン 4.25
対応カラー レッド(006)、ブラック(278)

バタフライのラバー品番「00460」は、イリウスS(00450)の超ゴクウス版として設定されています。スポンジ硬度45度というのは、裏ソフトラバーでいえば中〜硬めの領域ですが、粒高ラバーとしては非常に硬い部類に入ります。この硬さとスポンジ素材の組み合わせが、イリウスSの独特な打球感の源泉です。

イリウスS 0.5(超ゴクウス)の特徴・レビュー

「イリウスS 0.5」を一言で表すなら、プレイヤーの技術を素直に引き出す、カット主戦型専用の安定系粒高ラバーです。ラバー自体が変化を自動で作るのではなく、プレイヤーのスイングと体の使い方によってカットの深さや回転量を調整できる。そういう設計思想のラバーです。

特徴①:新開発「アブソーバースポンジヘビー」が生む独自の打球感

イリウスSの核心は、緑色のスポンジ「アブソーバー スポンジ ヘビー」にあります。バタフライがツブ高ラバーに初めて採用したこの素材は、名前に「アブソーバー(吸収体)」と冠されているとおり、衝撃吸収性を重視して設計されています。

スポンジ硬度45度というと、「弾く」イメージを持つ方が多いかもしれません。確かに指で押すと固い感触があります。しかし実際にボールを打つと、想像よりずっと「受け止める」感覚があります。相手の強ドライブに対してカットを合わせると、ボールの勢いを手前に引き込むような、独特の吸収感があります。この「ズンと入ってくる感覚」は、従来の粒高ラバーとは一線を画します。

なぜこんなことが起きるのか。それはこのスポンジが「硬さ」と「ダンパー効果」を両立しているからです。ダンパーとは振動を吸収・減衰させる機能のことで、衝撃エネルギーをスポンジ内部で受け止めつつ、そのエネルギーをそのまま返さずに散らします。この特性により、相手のボールの速度と回転量がラバーを通過する際にワンクッション置かれ、プレイヤー側のコントロールが格段に高まります。

粒高ラバーを使う上での大きな悩みのひとつが、「相手のドライブが強いと抑えきれない」という問題です。アブソーバースポンジヘビーはこの課題に直接アプローチしており、強打への耐性が高い設計になっています。カットで台に入れることを最優先にしている方には、この打球感は非常に心強いと思います。

特徴②:ルール限界まで追求したシートがナックルとカットを両立させる

シートの設計も見逃せません。バタフライはイリウスSのシートを、国際卓球連盟(ITTF)が定めるツブ形状の規格ギリギリまで追求して設計しています。この「ルール限界まで突き詰める」というアプローチは、バタフライがテナジーやディグニクスで取ってきた姿勢と共通しています。

ルール上限に近い粒形状とはどういうことか。ざっくり言えば、粒が細く長い形状で、倒れやすく設計されているということです。粒が倒れやすいと何が起きるかというと、まずナックルボールが出やすくなります。粒が倒れることでボールへの回転伝達が抑制され、相手の回転を消したナックル(無回転)ボールを作りやすくなるのです。

このナックルの質がイリウスSは高く、回転量とナックルの出し分けを比較的コントロールしやすいと感じます。ラケットを倒してカットすれば切れたボールが出て、立てて当てればナックルが出る。この二択を場面に応じて使い分けられると、カットマンとしての武器の幅が大きく広がります。

また、粒が倒れやすい設計は、ツッツキにも恩恵をもたらします。ラケットを前傾させてツッツキを打つとき、粒が綺麗に前方へ倒れることでボールに切れが加わります。短くてキレのあるツッツキは、相手のループドライブを誘い出したり、フリックを封じたりする上で大変有効です。サイドスピンを加えた流しツッツキも出しやすく、ツッツキ自体が武器になる感覚があります。

特徴③:0.5(超ゴクウス)の超薄スポンジがもたらす安定性

「イリウスS」にはスポンジ厚のバリエーションが複数あります。超ゴクウス(0.5)、ゴクウス(1.1)、ウス(1.3)、中(1.7)、アツ(1.9)、トクアツ(2.1)など。今回の「0.5(超ゴクウス)」は、実寸で0.4〜0.7mmという最も薄いモデルです。

スポンジが薄いほど、相手のボールの影響を受けにくくなります。相手の強ドライブの回転量がカットに食い込む力が弱まり、スポンジ自体がほとんど干渉しないため、シートの感覚に近い打球感になります。このことが「相手の強打でも安定してカットに持っていける」という感触につながります。

もう一つのメリットは、ラバー全体の重量が軽くなることです。特にバックに使う場合、ラバーの軽さはラケット全体のバランスや振りやすさに影響します。特にカットマンは遠い位置まで下がって打球する場面が多いため、バックラバーの軽さは意外と重要な要素です。

一方で、0.5(超ゴクウス)の特性は「安定に特化する代わりに変化は控えめ」という点です。スポンジが薄いと、自分からボールに変化を加えたり、攻撃的なプッシュで弾いたりする力は落ちます。「自分の回転をガンガンかけて攻めたい」というより、「相手の攻撃を安定して返し、カットの回転量で揺さぶりたい」というスタイルに合った厚さです。

イリウスS 0.5(超ゴクウス)のデメリット・注意点

良い点を述べてきた分、デメリットも正直に書いておきます。

  • 初心者・基礎未完成の選手には難しい:粒高ラバー全体に言えることでもありますが、イリウスSは特に「技術ありきのラバー」です。カットのスイングが緩かったり、インパクトのポイントがブレていたりすると、スポンジが相手の回転に負けてボールが浮き上がります。基礎フォームが固まり切ってから導入するのが賢明です。
  • 変化系プレーにはイリウスBの方が向いている:イリウスSはあくまで「安定と切れ味の両立」を追求したモデルです。前陣でのトリッキーなプッシュや、弾力を活かした攻撃的なブロック変化などを求めるなら、イリウスBの方が適しています。イリウスSで変化を出すためにはプレイヤー自身の技術が必要で、ラバーが自動的に変化を作ってくれるわけではありません。
  • 慣れるまでの適応期間が必要:アブソーバースポンジヘビーの打球感は独特で、これまで使ってきたラバーとかなり異なる感触があります。「吸い込まれる感覚」に慣れるには練習時間が必要です。試合前にいきなり変えると感覚がズレる可能性があるため、余裕を持って導入することをすすめます。
  • 攻撃的な前陣プレーとは相性が悪い:スポンジ厚0.5mmと薄いため、前陣でのバックプッシュや横からの弾きには力不足を感じる場面があります。中〜後陣でのカットプレーを主体とする選手向けです。

こんな選手におすすめ

  • ✅ カット主戦型で、まず「カットを台に入れる安定感」を最優先にしたい選手
  • ✅ 相手の強ドライブをコンスタントに返し、カットの回転量の差で揺さぶりたい選手
  • ✅ ツッツキを武器にしたい選手(特にキレのある短いツッツキや、流しツッツキが好きな方)
  • ✅ 粒高ラバー歴があり、「安定は出たが切れ味が欲しい」と感じている選手
  • ✅ 中〜上級者で、技術を正確に結果に反映させたい選手
  • ✅ 試合でのラリー継続率を上げたい守備型選手

こんな選手には向いていない

  • ❌ 粒高ラバーを初めて使う初心者(操作の難しさから挫折しやすい)
  • ❌ 前陣での弾くプレーや変化系ブロックを多用したい選手(弾みが控えめなため)
  • ❌ ラバーに自動的な変化を期待する選手(自分で変化を作るタイプのラバーです)
  • ❌ 使用期間が短い選手(慣れるまでの練習時間が必要なため、効果を実感しにくい)

イリウスS 0.5(超ゴクウス)を使ってみての印象・評判

実際に打ってみて印象に残るのは、カットとツッツキの「切れ感」の確かさです。フォームが整っていれば、粒がしっかり倒れてキレのあるボールが出ます。特にツッツキはよく出来ていて、短くスピンのかかったツッツキが安定して出せます。サイドスピン交じりの流しツッツキも自然に出しやすく、ツッツキ合戦で主導権を握る場面が増えます。

カットについては、「切れたカット」と「ナックル気味のカット」の出し分けがある程度意識的にできます。ラケットを倒して引きつけてから振り抜くと重い切れたボールが出て、立て気味に当てるとフワッとしたナックルボールになります。両方を混ぜながらラリーすると、受ける側にとってはかなり読みづらい展開になります。

一方でよく言われるのが、スイングが緩むとボールが浮いてしまうという点です。特にゆっくりしたループドライブを「とにかく入れよう」という消極的な気持ちで返すと、オーバーするか浮いて打ち込まれる場面がありました。意外に聞こえるかもしれませんが、ゆっくりしたボールに対してもしっかり振り切る意識でカットした方が、結果的に安定することが多いです。「吸い込まれる感覚」があるからこそ、スイングスピードを落とさない方が良いというのが正直なところです。

ナックルの質については、相手の評価が参考になります。対戦した選手から「変化がわかりにくい」という声が挙がりやすいのが、イリウスSの特徴のひとつでもあります。特にカットとナックルの境界線が曖昧になってくると、相手はどちらの想定でドライブを打てばいいか迷います。この迷いを生み出せれば、カットマンとして戦略の幅が広がります。

全体を通じた印象としては、「使いこなすのに時間がかかるが、使いこなせたときの頼もしさは本物」というものです。粒高ラバーに対して「信頼しきれない」という感覚を持っていた選手が、この安定感に触れて安心感を覚える、というのはよく耳にします。

イリウスS 各厚さとの比較

同じイリウスSシリーズでも、スポンジ厚によって性格がかなり変わります。

比較項目 0.5(超ゴクウス) 1.1(ゴクウス) 1.3(ウス)
実寸スポンジ厚 0.4〜0.7mm 0.8〜1.1mm 1.1〜1.3mm
安定性 △〜○
変化量 ○〜◎
攻撃力 △〜○
弾み 低い やや低め 中程度
ナックルのしやすさ ○〜◎
こんな人向け 安定最優先カットマン バランス重視のカットマン 変化も攻撃も欲しい選手

0.5は安定最優先、1.1はバランス型、1.3以上は変化や攻撃性もほしい選手向けという整理ができます。粒高ラバーが初めてであれば1.1から試してみて、安定方向にもう一歩進みたいと感じたら0.5に移行するという流れが自然です。

イリウスBとの比較

イリウスシリーズのもう一方の柱「イリウスB」との比較も重要です。両者は同一シートを使いながら、スポンジが異なることで全く違うキャラクターになっています。

比較項目 イリウスS 0.5(超ゴクウス) イリウスB
スポンジ アブソーバースポンジヘビー(硬度45) アブソーバースポンジドロップ(柔らかめ)
向き カット主戦型(後陣) 前陣変化型・ブロック型
安定性
変化量
弾み 低い やや高い
プッシュ性能
カットの切れ
ツッツキ性能
こんな人向け ラリーでカットを安定させたいカット主戦型 変化とプッシュで崩す前陣変化型

イリウスSは「切れた安定カットで守りを固めながら、回転量の変化で崩す」タイプ向け。イリウスBは「前陣での変化ブロックとプッシュで攻める」タイプ向けです。プレースタイルがカット主戦型なら迷わずS、前陣でトリッキーに戦うなら迷わずB、という選択が基本です。

自分のプレースタイルがまだ固まっていない場合は、一度両方を試打して感覚を確かめるのが確実です。

価格・購入先

希望小売価格は3,520円(税込)です。バタフライのラバーとしては入門モデルに近い価格帯に位置し、上位モデル(テナジー・ディグニクスシリーズ)と比べると手が届きやすい設定です。粒高ラバーは裏ソフトより消耗が少ないと言われますが、試合での使用頻度によっては半年〜1年で貼り替えを検討する必要があります。

購入先 特徴
Amazon 定価以下で販売されるケースも多く、Prime会員なら送料・速度面も安心
楽天市場 ポイント還元キャンペーン期間に合わせて購入すると実質的にお得になることも

まとめ:イリウスS 0.5(超ゴクウス)はこんな人に買ってほしい

バタフライ「イリウスS 0.5(超ゴクウス)」は、粒高ラバーの「安定と切れ味のジレンマ」に対して、バタフライらしいアプローチで挑んだ一枚です。アブソーバースポンジヘビーという新素材が相手の強打を吸収しつつ、ルール限界まで追求したシート設計がナックルと切れたカットを両立させます。

使いこなすには練習が必要ですが、カットが安定して台に入り続けるあの感覚は、中〜上級のカットマンにとって大きな武器になります。「バックの粒高をそろそろ見直したい」「もっと安定したカットが打ちたい」という方は、ぜひ一度試してみてください。自分の技術が素直に結果に出るラバーは、それだけで練習のモチベーションも上がります。

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