この記事でわかること
- イリウスSの特徴と性能
- どんなカットマン・異質プレイヤーに向いているか
- 実際に打った印象・評判のまとめ
- イリウスBやフェイントロング3との違い
粒高ラバーに求めるものって、人によって全然違います。「とにかく変化が欲しい」「カットで切りたい」「ブロックで抑えたい」。バタフライのイリウスSは、そのなかでもカット主戦型のプレイヤーに向けて開発された、かなり尖った設計のラバーです。
このレビューでは、スペックや使用感をわかりやすく整理して、購入の判断材料になるように書きました。
イリウスSの基本スペック
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メーカー | バタフライ(Butterfly) |
| カテゴリ | 粒高ラバー(ツブ高) |
| 希望小売価格(税込) | 3,520円 |
| タイプ | 粒高 |
| スポンジ硬度 | 45 |
| スポンジの技術 | アブソーバー スポンジ ヘビー |
| スピード(公式数値) | 6.5 |
| スピン(公式数値) | 4.25 |
| スポンジ厚ラインナップ | ウス(1.3mm)・ゴクウス(1.1mm)・超ゴクウス(0.5mm) |
| カラー | レッド(006)・ブラック(278) |
| 発売時期 | 2021年11月 |
「アブソーバースポンジヘビー」というのが、このラバーの最大のキーワードです。硬いスポンジは粒が変形しやすく変化が出やすいという利点がある一方で、打球の衝撃が吸収されにくく、コントロールが難しいという欠点も持ちます。その矛盾を解消するためにバタフライが開発したのが、この「アブソーバースポンジヘビー」技術です。
イリウスSの特徴・レビュー
一言で表すなら、「技術を持ったカットマンの武器になるラバー」です。
特徴①:ルール限界のツブ形状比率で変化を最大化
イリウスSのシートは、粒の高さと直径の比率をルールの限界ギリギリまで設計しています。粒が細長いほど、倒れたときの変化角度が大きくなります。つまり、このラバーの粒は物理的に最大限の変化を生み出せる形状をしているわけです。
ただし、変化が大きい粒高ラバーほど「自分でコントロールする技術」が求められます。粒が勝手に予想外の方向に倒れてしまうと、逆に自分が困ることになる。イリウスSは、そのあたりのバランスをスポンジで補っています。
特徴②:アブソーバースポンジヘビーが「硬さの欠点」を解消
硬度45のスポンジは、粒高ラバーとしてはかなり硬い部類に入ります。通常の粒高では硬いスポンジは球持ちが悪く、ミスが増えやすいものです。
しかし、イリウスSのアブソーバースポンジヘビーは、硬さを保ちつつ打球の衝撃を吸収しやすい構造を持っています。実際に打ってみると、硬い打球感がありながらも台に収まりやすい感覚があります。特にカットのときにこの恩恵を感じやすく、「硬いのにしっかり台に入る」という不思議な打球感が特徴的です。
特徴③:カットで自ら切れ味を生み出せる
粒高ラバーの多くは、相手の回転を利用して変化を出すタイプです。一方でイリウスSは、自分のスイングとフォームによって積極的にカットを切れるように設計されています。
低くて回転量の多いカットを安定して打てるため、相手にとって処理しにくいボールが生まれやすい。「勝手に変化するラバーではなく、自分が操るラバー」というのが、イリウスSのコンセプトです。粒高ラバーを腕で使いこなしたいプレイヤーには、こういう設計のほうが合います。
サイドスピン気味の流しツッツキが決まりやすいという点も、よく挙がる評価の一つです。角度と力加減さえ慣れてしまえば、鋭い変化球を連発できます。
イリウスSのデメリット・注意点
正直に言うと、扱いやすいラバーではありません。
- スポンジが硬いため、粒を意図的に倒す技術がないと変化が出しにくい。早いスイングスピードと正確なフォームが求められます。
- ナックルを出したいときに、しっかり力を乗せないと思ったより変化が出ないことがある。慣れるまでに時間がかかります。
- フェイントロング2やフェイントロング3などの「粒が勝手に変化する」タイプに慣れたプレイヤーには、最初は難しく感じることが多い。
「粒高を試してみたい初心者」には向きません。使いこなすことができれば強力ですが、ある程度の卓球歴と粒高の知識が前提になります。
こんな選手におすすめ
✅ カットマンで、もっとカットに切れ味を出したいと思っている中〜上級者
✅ 粒高ラバーを「自分で操りたい」という探求心の強いプレイヤー
✅ サイドスピンや流しツッツキなど、多彩な変化を試合で使いたい選手
✅ フェイントロング3を使っていて「もう少し自分でコントロールしたい」と感じている人
こんな選手には向いていない
❌ 粒高ラバーを初めて使う初心者。まずはフェイントロング2など扱いやすいラバーで基礎を身につけてから。
❌ ブロック中心でプレーしたい選手。イリウスBのほうがブロック性能・変化性能は高い。
❌ あまり練習時間が取れないプレイヤー。慣れるまでに相当な実戦練習が必要です。
イリウスSを使ってみての印象・評判
実際に打ってみると、まず感じるのはスポンジの硬さです。「これが粒高?」と思うくらい、テンション系の裏ソフトに近いような手応えがあります。
ただ、その硬さが嫌なものかというとそうでもない。カットを切りに行ったとき、スポンジがしっかり受け止めてくれる感覚があって、「自分がボールをコントロールしている」という感覚が強い。粒高ラバーにありがちな「勝手に変な飛び方をした」という不安感が少ないのは、このラバーの良さです。
よく挙がる声としては、「カットが思ったより台に収まりやすい」という点。硬いスポンジだとミスが増えるイメージがあるのに、コートに納まる感覚が案外あるのは、アブソーバースポンジヘビーの効果だと思います。
一方、気になるのはやはり技術要求の高さです。粒を倒せていないと変化がほとんど出ず、フツウの裏ソフトよりも弱いボールになってしまうことがある。これは使いこなすまでに時間がかかる理由の一つです。
イリウスBとの比較
イリウスシリーズには「S」と「B」の2種類があります。
| 比較項目 | イリウスS | イリウスB |
|---|---|---|
| スポンジ技術 | アブソーバー スポンジ ヘビー | アブソーバー スポンジ ドロップ |
| 向いているプレースタイル | カット主戦型 | ブロック主戦・攻守バランス型 |
| カットの切れ味 | 高い | 普通 |
| ブロック・変化 | 普通 | 高い |
| 操作難易度 | やや高い | 比較的扱いやすい |
| こんな人向け | カットで積極的に攻めたい選手 | ナックルやプッシュで翻弄したい選手 |
カットで切れを出したいならイリウスS、ブロックやプッシュの変化で勝負したいならイリウスBを選ぶのが基本的な判断軸です。どちらも中〜上級者向けという点では共通しています。
フェイントロング3との比較
| 比較項目 | イリウスS | フェイントロング3 |
|---|---|---|
| 粒の変化の生み方 | 自分のスイングで積極的に生み出す | 粒が自動的に変化しやすい |
| カットの切れ味 | 高い(技術次第) | 普通 |
| 扱いやすさ | 難しい | 比較的扱いやすい |
| 向いているレベル | 中〜上級者 | 初中級〜中級者 |
| 変化の安定感 | 高い(予測可能な変化) | たまに予想外の変化が出る |
フェイントロング3は「粒が勝手に倒れて変化を出してくれる」感覚があります。イリウスSはその逆で、自分から粒を倒しに行く必要がある。粒高ラバーの熟練者には「自分で操れる」ほうが心地よく感じる場合もありますし、フェイントロング系に慣れたプレイヤーには最初は物足りなく感じることもあります。
スポンジ厚の選び方
イリウスSには3つのスポンジ厚があります。
| 厚さ | スポンジ厚 | こんな選手に |
|---|---|---|
| ウス | 1.3mm | 変化よりも安定・コントロール優先の選手。少しスピードも出したい人向け。 |
| ゴクウス | 1.1mm | 中間的な選択肢。変化とコントロールのバランスを取りたい人向け。 |
| 超ゴクウス | 0.5mm | 変化を最大限に引き出したい上級者向け。難易度はさらに上がる。 |
迷ったらゴクウス(1.1mm)から試してみることをおすすめします。変化とコントロールのバランスが取りやすく、イリウスSの特性を把握しやすいからです。
価格・購入先
希望小売価格は3,520円(税込)です。粒高ラバーとしてはスタンダードな価格帯で、バタフライの他の競技用ラバーと比べると比較的入手しやすいレンジに収まっています。
| 購入先 | 特徴 |
|---|---|
| Amazon | 最安値になりやすい。Prime対応商品であればすぐ届く。 |
| 楽天市場 | ポイント還元があるタイミングだとお得。スポーツ専門店の出品も多い。 |
まとめ:イリウスSはこんな人に買ってほしい
イリウスSは、「粒高ラバーで自分からカットを切りに行きたい中〜上級者のカットマン」に向けて作られたラバーです。アブソーバースポンジヘビーによって硬さの欠点を補い、ルール限界のツブ形状で変化量を最大化する。方向性がはっきりしていて、使う人を選ぶ分、刺さる人にはとことん刺さるラバーだと思います。
フェイントロング系のように「自動的に変化してくれるラバー」を求めているなら、このラバーは違います。でも、粒高を自分の技術で操って、相手を崩していくスタイルを目指しているなら、試す価値は十分あります。
慣れるまでに時間はかかりますが、使いこなせたときの武器としての強さは本物です。

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