この記事でわかること
- ラージグラントの特徴と性能
- どんなラージボールプレーヤーに向いているか
- 実際に使ってみての印象・よく聞かれる評価
- ラージブラスト・ラージインパクトとの違い
ラージボール用のラケットは「速さ」と「扱いやすさ」のバランスが難しく、硬式から移行してきた方ほど一本選びに悩みがちです。ラージグラントは、その悩みに対してニッタクが「スピードに振り切った答え」を返してきた一本。この記事では、スペックの読み解きから打球感、向く選手・向かない選手までを整理してお伝えします。
ラージグラントの基本スペック
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メーカー | ニッタク(Nittaku) |
| カテゴリ | シェークハンド |
| 分類 | ラージボール用 |
| 希望小売価格(税込) | ¥14,300 |
| 合板構成 | 木材5枚+2枚(アウタータイプ・ケブラー®カーボン) |
| ブレードサイズ | 156×148mm |
| グリップ形状 | ST(100×24mm)/FL(100×24.5mm) |
| 重量 | 90±g |
| 板厚 | 6.6mm |
| スピード | ファースト |
| 打球感 | ハード |
| 原産国 | 中国 |
シリーズには中国式ペンの「ラージグラント C」、角丸ペン裏面打法対応の「ラージグラント R」、日本式ペンの「ラージグラント P」もあります。本記事ではシェークハンド(無印)を対象に解説します。
ラージグラントの特徴・レビュー
一言で表すなら「ラージで楽にスピードを出すための専用設計」。硬式ラケットでラージをプレーしてきた人ほど、その違いに驚きやすいラケットです。
ケブラーカーボン×板厚6.6mmで生まれる初速の速さ
ラージグラントの核は、アウターに配置されたケブラー®カーボンと、ラージ用としては厚めの6.6mmという板厚です。アウター素材は球離れを速くする方向に効くので、軽く当てただけでもしっかり弾みます。実際に打つと初速がぐっと前に出る感覚があり、ボールが弾道の頂点まで上がってから落ちるのではなく、低い軌道のまま相手コートに刺さっていきます。
ラージボールは硬式に比べて球が大きく軽く、空気抵抗の影響を受けやすいぶん、スピードを出しづらいのが宿命です。だからこそ反発力を上げる方向のチューニングが効果的で、ラージグラントはそこを真正面から狙った設計と言えます。
コンパクトブレードで90gでも振り抜ける
ブレードサイズは156×148mm。ニッタクの一般的なシェークと比べてもひとまわり小さく、ラージ用としては標準的な範囲です。重量は90±gとやや重めですが、ブレードが小さい分スイング時の回転モーメントが軽くなり、数値ほどの重さを手元では感じません。
実際、レビューでも「重量はあるけど振り抜きやすい」という声がよく挙がります。重さでボールを押す感覚と、コンパクトブレードの取り回しの良さが両立しているのがこのラケットの面白いところです。連打や切り返しが多くなるラージのラリーでも、後半に腕が疲れて振り遅れる、という事態になりにくい設計です。
ハードな打球感でも「ラージらしい音」は残っている
板厚があってカーボン入りという構成だけ見ると「硬すぎるのでは?」と心配する方もいると思います。実際に打ってみると、打球感はたしかにハード寄り。ただし硬式用のハードウッド系合板のような芯のある硬さではなく、ラージ特有の少し抜けるような打球音が残っているのが特徴です。
これは中心材が硬く厚めの合板にケブラーカーボンを組み合わせている構造に由来します。特殊素材の振動を抑える方向ではなく、反発を引き出す方向にチューニングされているため、ラージボールを当てたときの感触が「カキン」ではなく「パン」に近い、いわゆるラージらしい音と感触になります。スマッシュやミート打ちを多用する選手には、この音そのものが気持ちよく感じられるはずです。
ラージグラントのデメリット・注意点
良いラケットでも全員に合うわけではありません。事前に知っておきたい注意点を正直にまとめます。
- 弾みが強い分、ツッツキやストップは浮きやすい:軽く当てるだけで前に飛ぶので、繊細なコントロールが必要な技術ではオーバーミスが出やすい。慣れるまでは台上で抑える意識が要る
- 打球感がハードなので柔らかい打感が好きな人には合わない:球持ちを長く感じたい、当てて持ち上げる感覚で打ちたい人には少し弾道が低く感じられる
- 90gの重量は人を選ぶ:女性や年配のラージプレーヤーで腕力に自信がない場合、長時間のラリーで負担に感じる可能性がある
- 価格は¥14,300とラージ用としては高め:ラージスターシェーク(¥7,700)やロイヤルプリンス(¥7,700)といったエントリー帯と比べると倍近い投資になる
こんな選手におすすめ
- ✅ ラージボールでスピードドライブやミート打ちを主体にする攻撃型:低い弾道で押し切るプレーがハマる
- ✅ 硬式からラージに移行してきた中上級者:硬式の感覚に近い反発を残しつつラージ用の特性も得たい人に合う
- ✅ 中後陣からでも強いボールを打ちたい選手:板の反発力に頼って下がった位置からでも威力が出せる
- ✅ ラージで競技志向のラリー戦をしたい人:連打・切り返しの軽快さが武器になる
こんな選手には向いていない
- ❌ ラージを始めたばかりの入門者:弾みが強くてレシーブやツッツキでミスが出やすく、最初の一本としては難しい
- ❌ カットマン・コントロール重視のプレースタイル:弾みすぎてカットが浮く、ツッツキで切りにくいというリスクがある
- ❌ 柔らかい球持ちで打ちたい前陣ブロック型:硬い打球感とは噛み合わない
ラージグラントを使ってみての印象・評判
実際に打ってみてまず感じるのは、ラージ用ラケットの中でもトップクラスに「楽にスピードが出る」ことです。スマッシュやドライブで力を入れたつもりがないのに、ボールが鋭く伸びる。アコースティックカーボンなど硬式の特殊素材ラケットからラージに来た人ほど、「スピードは確実にラージグラントのほうが出る」と実感しやすい感覚があります。
弾道は全体的に低めにまとまる傾向で、ループドライブよりはスピードドライブや角度打ちと相性が良いです。角度打ちが力を入れずに決まる、という点はよく挙がる強みで、ラリーの中で詰めの一本を作りたい選手には心強い武器になります。
一方で、レビューを見ていると「ストップやツッツキは慣れが必要」「ブロックでボールが潰れてネットに掛かる」という声も散見されます。これは弾みが強い側のラケットに共通する宿命で、ラケットが悪いというより、台上の力加減を再構築する必要があるという話です。最初の数回はストップを意識的に弱く出す、ツッツキは面を被せ気味にするなど、調整期間を見込んでおくと安心です。
ラージブラスト・ラージインパクトとの比較
ニッタクのラージ用攻撃ラケットには複数の選択肢があります。代表格である「ラージブラスト」「ラージインパクト」と比較してみましょう。
| 比較項目 | ラージグラント | ラージブラスト | ラージインパクト |
|---|---|---|---|
| 価格帯 | ¥14,300 | ¥9,900 | ¥35,200 |
| 合板構成 | 木材5枚+2枚 アウターケブラーカーボン | 厚めの板厚+極薄カーボン | 上位特殊素材構成 |
| 重量 | 90±g | 軽量寄り | 重め |
| 打球感 | ハード | ややハード | ハード |
| 性格 | スピード特化・低い弾道 | 軽量で振り抜き重視 | 最上位の反発・威力 |
| こんな人向け | 中上級・スピード型 | 入門〜中級・軽さ重視 | 上級・本気で勝ちにいく層 |
入門〜中級でとにかく振り抜きの軽さを優先したいならラージブラスト、予算を気にせず最上位を選びたいならラージインパクト、というすみ分けです。ラージグラントはその中間に位置し、「価格と性能のバランスを取りつつスピードに振った一本」がほしい層に最も刺さります。
価格・購入先
定価¥14,300(税込)ですが、卓球専門ショップやネット通販では割引価格で出回ることが多く、9,000〜10,000円前後で購入できるケースもあります。シリーズの他モデル(ラージグラント C / R / P)も同価格帯です。
| 購入先 | 特徴 |
|---|---|
| Amazon | Prime対応で到着が早い、レビュー件数も比較的多い |
| 楽天市場 | ポイント還元やショップ独自のセール、卓球専門店出店も豊富 |
まとめ:ラージグラントはこんな人に買ってほしい
ラージグラントは「ラージボールでスピードを出して攻撃したい」という願いに正面から応える、ニッタクの攻撃型ラージラケットの主力です。アウターケブラーカーボンと6.6mmの板厚、コンパクトなブレードという組み合わせで、楽にスピードが出て、それでいて振り抜きやすい。ラージらしい打球音も残しつつ、硬式に近い反発も感じられる仕上がりです。
弾みが強い分、台上の繊細な技術には慣れが要りますが、それを許容してでもスピードで勝ちにいきたい中上級者には十分応えてくれます。価格は安くはありませんが、ラージで本気の一本を探しているなら試す価値があります。
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