この記事でわかること
- 樊振東 CNFのスペックと価格
- セルロースナノファイバー(CNF)という新素材が打球に与える影響
- 同シリーズのALC/SUPER ALC/ZLC/SUPER ZLCとの違い
- どんなプレーヤーに向き、どこで物足りなくなるのか
「世界トップの樊振東モデルが欲しいが、高弾性すぎて自分のフォームに合わないのでは」――そんな悩みに一つの答えを提示するのが、バタフライの樊振東 CNFです。セルロースナノファイバー搭載で、高反発と球持ちを両立した特殊素材ラケットを、専門家視点で見ていきます。
樊振東 CNFの基本スペック
公式サイトで確認したスペックを中心にまとめています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メーカー | Butterfly(バタフライ) |
| カテゴリ | シェークハンド攻撃用ラケット(特殊素材) |
| 希望小売価格(税込) | 41,800円 |
| 板構成 | 木材5枚合板+セルロースナノファイバー2枚 |
| 板厚 | 5.7mm |
| 平均重量 | 85g(ST/FL) |
| 反発特性 | 11.7 |
| 振動特性 | 9.5 |
| グリップ形状 | FL(100×25×34mm)/ST(100×23×28mm) |
| 用途 | 攻撃用シェーク |
価格は41,800円とハイエンドクラス。重量85g前後と扱いやすい仕様で、反発特性11.7/振動特性9.5という数値は、ALCモデル(反発12.4/振動9.7)と比較するとやや反発寄りには控えめながら、振動も抑えられたバランスを示しています。
樊振東 CNFの特徴・レビュー
樊振東 CNFを一言で表すなら、「高反発と球持ちを両立した、樊振東シリーズ唯一のCNF仕様」です。シリーズには5モデル(ALC/SUPER ALC/ZLC/SUPER ZLC/CNF)が用意されていますが、CNFだけが「ナノファイバー」という素材的アプローチを取っており、独自の打球感を持っています。
特徴①:セルロースナノファイバーが生む独特の挙動
セルロースナノファイバーは、植物由来の超微細繊維で、軽量かつ高強度という特性を持つ新素材。これをラケットに搭載することで、「高反発でありながら振動特性を低く抑える」という、矛盾しがちな2つの性質が両立できる、と公式は説明しています。
実打感としても、ALC系のような硬いカーボン特有のヒット感は弱く、打球時にラケット全体でボールを受け止める感覚があります。それでいて反発特性は11.7と十分な数値を持ち、強打したときのスピードも確保されている――というのが、CNFの面白いところです。
特徴②:板厚5.7mmと重量85gで扱いやすい設計
板厚5.7mmは樊振東シリーズの中でもALCと並んで標準的な厚みで、平均重量85gも特殊素材ラケットの平均的なところに収まります。これは「世界トップ選手のシグネチャーモデル」にしては意外なほど扱いやすい仕様で、上位アマチュアでも振り回せる範囲に設計されています。
スイングの軽快さと、面の中で球をつかむ感覚を両立しているので、両ハンドドライブを軸に試合を作る現代型のスタイルと相性がよく、ループドライブや台上ドライブで弧線を描く打法に乗りやすい1本です。
特徴③:振動特性9.5の低振動、長時間でも疲れにくい
ALC系(振動特性9.7)と比較しても振動特性9.5は明確に低い数値で、実打でもインパクト時の手元への振動は控えめに感じられます。CNFが持つ衝撃吸収性能の効果で、長時間の練習や1日複数試合を戦う場面でも、腕や手首への負担が抑えられる傾向にあります。
特に試合の終盤、フォームが崩れがちな時間帯にこそ、低振動の恩恵が表れます。スイングを安定させ続けたい中上級者~上級者にとって、見落とせない価値です。
樊振東 CNFのデメリット・注意点
良い点だけでなく、購入前に知っておきたい弱点も整理します。
- 価格が高い:41,800円は他のシリーズと比較しても上位クラス
- ALC系の弾き感が好きな人には物足りない:反発11.7はALC(12.4)より一段下、SUPER ALC比だとさらに差が開く
- セルロースナノファイバー特有の打球感は好みが分かれる:合板的な「球持ち」が強めなので、特殊素材のキレを求めると違和感が出る
特に1点目の価格は購入の最大のハードルです。同シリーズでもより手頃なALC(30,000円台)と比較すると、CNFを選ぶ理由は「球持ちと低振動」というキャラクターを欲しているかどうかにかかってきます。
こんな選手におすすめ
- ✅ 樊振東シリーズで「高反発と球持ち」のバランスを求めている上級者
- ✅ 振動が手元に響くアウター系特殊素材に違和感を覚えてきた選手
- ✅ ループドライブ・台上ドライブ・両ハンドの安定を一段上げたい中上級~上級
- ✅ 1日複数試合をこなす選手で、手首や腕への負担を抑えたい層
こんな選手には向いていない
- ❌ ALC・ZLCの弾き感、ヒット感を楽しみたいパワー型
- ❌ 30,000円以下で特殊素材ラケットを探している層
- ❌ 振動を「フィードバック」として求める選手(合板的な打感が苦手な人)
樊振東 CNFを使ってみての印象・評判
実際に振ってみて最初に感じるのは、振動の少なさと、球が面に乗ってからゆっくり離れていく感覚です。アウターALCのような「コン」という乾いた打球音は控えめで、その代わりに合板的な「ぐっ」と球を持ってから飛ばす感覚があります。これがCNF特有のフィーリングで、好みが分かれる第一の特徴です。
性能面でよく挙がるのは、「中陣でのラリーで球持ちを保ちながら、必要なスピードを失わない」という評価です。台から少し離れてラリーする場面でも、ループドライブで弧線をしっかり描けて、回転をかけて深く入れる打法と相性が良い設計です。アウター系のラケットだと「もう一押し」を求められるところで、CNFは球持ちが効いて余裕を持って入れられる、という声がよく挙がります。
逆に、合わない場面があるとすれば、前陣でテンポを上げる速攻系のラリーです。ALCモデルの方が反発のキレが大きいので、前陣でぶつけて返す打法には向いています。CNFは前陣~中陣で「振って返す」スタイルが得意な板であり、戦型側で噛み合わせる必要があります。
樊振東シリーズ内での比較
シリーズ5モデルを並べて比較すると、CNFの位置付けが明確になります。
| 比較項目 | CNF | ALC | SUPER ALC | ZLC | SUPER ZLC |
|---|---|---|---|---|---|
| 価格帯 | 41,800円 | 30,800円 | 36,300円 | 36,300円 | 41,800円 |
| 反発特性 | 11.7 | 12.4 | 12.7 | 12.4 | 12.7 |
| 振動特性 | 9.5 | 9.7 | 9.7 | 11.0 | 11.0 |
| 板構成 | 5枚合板+CNF | 5枚合板+ALC | 5枚+スーパーALC | 5枚+ZLC | 5枚+スーパーZLC |
| 性格 | 球持ち+低振動 | バランス型 | スピード重視 | 反発と弾みのバランス | 高反発・最高峰 |
CNFはシリーズで唯一、反発を抑え、振動も低く、球持ちを優先したモデルです。スピード一発で押し抜きたいならSUPER ALCやSUPER ZLC、バランスを求めるならALC、そして「球持ちと低振動」が欲しい選手にCNFが刺さります。
価格・購入先
希望小売価格は41,800円(税込)。ハイエンドクラスのラケットですが、樊振東のシグネチャーモデルとしてのブランド価値も含めての価格です。
| 購入先 | 特徴 |
|---|---|
| Amazon | 在庫が安定し、Prime対応 |
| 楽天市場 | ポイント還元、卓球専門店の出店多数 |
| 卓球専門店 | 重量計測済みの個体から選べる店舗が多く、テナジーやディグニクスとの組み合わせ提案も受けられる |
このクラスのラケットは個体差で性格が変わってきます。卓球専門店で重量を細かく選び、推奨ラバーまで含めて相談してから購入するのが安全です。
まとめ:樊振東 CNFはこんな人に買ってほしい
樊振東 CNFは、「高反発」「振動の少なさ」「球持ち」という3つを高い水準で両立した、樊振東シリーズで最もユニークなキャラクターを持つ1本です。スピード一発で押し抜くタイプの板ではありませんが、現代の両ハンドドライブ+台上技術を軸にした戦型では、十分すぎるほどの性能を発揮します。
41,800円という価格は、ハイエンドラケットの中でも決して安くありません。ですが、ALCやZLCの硬さに違和感を覚えていた選手にとって、CNFは別の選択肢になり得ます。1日複数試合をこなす上級者や、手首・腕への負担を抑えたい長時間のプレイヤーにも、低振動の恩恵は大きく効いてきます。試打できるショップが近くにあるなら、ぜひ手に取って違いを確かめてください。
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