この記事でわかること
- リゾネイトGIのスペックと価格
- インナーGカーボンが生む独特の打球感
- 同シリーズのリゾネイトAI/GOとの違いと選び分け
- 中上級プレーヤーがこの板を選ぶ意味
「特殊素材ラケットは弾みすぎて、台上の繊細さを失ってしまう」――そう感じてきた中上級プレーヤーに、ヤサカが2023年春に投入したのがリゾネイトシリーズです。なかでもリゾネイトGIは、シリーズで最も球持ち寄りに振られたモデル。馬琳監修のインナーGカーボン仕様を、専門家視点で見ていきます。
リゾネイトGIの基本スペック
公式サイトで確認したスペックを中心にまとめています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メーカー | YASAKA(ヤサカ) |
| カテゴリ | シェークハンド攻撃用ラケット(インナー特殊素材) |
| 希望小売価格(税込) | 16,500円 |
| 板構成 | 木材5枚合板+Gカーボン2枚(インナー配置) |
| 板厚 | 5.8mm |
| 重量 | 87g前後(±) |
| ブレードサイズ | 161×151mm |
| グリップ形状 | FLA(100×25mm)/中国式(82×23mm) |
| 監修 | 馬琳 |
価格は16,500円とミドル~ハイクラスの帯。重量87gは現代のシェーク両面ドライブ型のスタンダードです。中国式(PEN)も用意されており、馬琳監修らしくペンホルダー需要にも応える展開になっています。
リゾネイトGIの特徴・レビュー
リゾネイトGIを一言で表すなら、「インナーGカーボンで球持ちと安定を狙ったヤサカのインナー特殊素材ラケット」です。アウター素材ラケットのように直線的に弾くのではなく、面で受けてからコースを作る感覚を残しているのが特徴です。
特徴①:Gカーボンをインナーに配置することで生まれる「球持ち」
Gカーボンはガラス繊維系の素材で、純カーボンよりも吸収性があり、特殊素材入りラケットの中では比較的マイルドな打感を作りやすい素材です。これをインナー(中板の外側)に配置することで、表面の木材がボールを受け止めるワンクッションを残しつつ、内部のGカーボンが反発をしっかり生み出します。
実打感としては、「面でボールを掴んでから飛ばす」典型的なインナー特殊素材ラケットの感覚です。台上のフリックや短いストップ、ナックル系のレシーブで、面の角度が球に伝わりやすい一方、強打したときには内側のGカーボンが効いて伸びのある弾道を作ります。
特徴②:適度な反発力と高い安定性を両立した設計
公式の説明にある「適度な反発力を持ちながらボールをしっかりつかむ」という性格は、実打でも明確に感じられます。アウターALCやアウターカーボンと比べて、初速のスピードでは劣る場面がありますが、ラリー中盤以降の安定感が一段上です。
中陣でのドライブ合戦になったとき、リゾネイトGIは球質を落とさずに何本も同じ場所に同じ回転を入れられる傾向があります。技術が安定している中上級者ほど、この「再現性の高さ」を価値として受け取りやすいはずです。
特徴③:シリーズ内で最も球持ち寄り、台上技術が活きる
リゾネイトシリーズはGI/AI/GOの3モデル展開で、攻撃寄りのGOから安定寄りのGIまでバリエーションがあります。GIはその中で最も「球持ち・安定」側にチューニングされた1本です。
台上ストップが切れる、ツッツキでの低くて深い球を作りやすい、サーブの回転がのる――こうした繊細な技術を持つ選手ほど、リゾネイトGIの板厚5.8mmとインナー配置の恩恵を受けやすくなります。逆に「とにかく速く強く」というスタイルの選手は、シリーズ内のGOやAIを検討したほうが性能を引き出せます。
リゾネイトGIのデメリット・注意点
良い点だけでなく、購入前に知っておきたい弱点も整理します。
- アウターカーボン系からの乗り換え時はスピード不足を感じる:初速はインナー特殊素材としては標準的で、上位アウターALC比だと一段下
- 軽量モデルではない:87g前後はシェーク標準だが、ジュニアや女子選手にとってはやや重め
- 価格帯はミドル~ハイ:はじめての特殊素材ラケットとしては値が張る
特に1点目は、ヴィスカリアやインナーフォースZLCといった上位アウター・インナー機を使ってきた選手が乗り換えるときに、最初に感じる違和感です。ただし「球持ちと安定」を求めて選ぶなら、これは弱点ではなく狙った方向の挙動と捉えるのが正解です。
こんな選手におすすめ
- ✅ アウターカーボンの「弾みすぎ」「飛びすぎ」に課題を感じている中上級者
- ✅ 台上技術と中陣でのラリー安定性を両立させたい両ハンドドライブ型
- ✅ サーブやツッツキの精度を武器に、3球目4球目で勝負したい選手
- ✅ 中国式ペンホルダーで、ドライブ重視のフォアハンド攻撃型を組みたい人
こんな選手には向いていない
- ❌ 弾みの強さで押し切るパワー型ドライブマン
- ❌ 初めて特殊素材ラケットに触れる初級者(オーバースペックになりやすい)
- ❌ 軽量・薄板を好んできた女子・ジュニア選手の一部
リゾネイトGIを使ってみての印象・評判
実際に振ってみて最初に感じるのは、面で球を受けたときの「ぶれない感覚」です。ボールが当たった瞬間にラケット先端が暴れず、面の中心と球がしっかり噛み合う。インナー特殊素材ラケットらしい挙動ですが、ヤサカのチューニングは球持ちのほうに少し寄せてあり、フォア/バックともにスイングを始めてから振り抜くまでの時間が一定に感じられます。
性能面でよく挙がるのは、「カーボン感は出るけれど暴れない」「インナーらしい球持ちで、ドライブが揃う」といった声です。ヴィスカリアのインナー版という比喩で語られることもありますが、Gカーボン特有のマイルドさが効いて、相手の球質を見てから打てる時間的余裕が大きく感じられます。台上のフリックを使う場面では、面の角度に集中するだけで球が想定どおりの位置に入りやすい設計です。
逆に、合わない場面があるとすれば、後陣からの押し合いです。フォアハンドの大きなスイングで重い球を作るパワー型の選手にとって、リゾネイトGIは「もう一段の押し」が足りなく感じられます。ラリーを安定して継続したい中上級向けの板であって、自分から打ち抜く戦型のメインラケットには最適化されていません。
リゾネイトAI/GOとの比較
シリーズ内の3モデルを並べて比較すると、リゾネイトGIの位置づけが明確になります。
| 比較項目 | リゾネイトGI | リゾネイトAI | リゾネイトGO |
|---|---|---|---|
| 価格帯 | 16,500円 | 16,500円 | 16,500円 |
| 主軸特殊素材 | Gカーボン(インナー) | アリレートカーボン(インナー) | Gカーボン(アウター) |
| 性格 | 球持ち+安定 | バランス・打球感の良さ | 弾み・スピード重視 |
| 想定戦型 | 台上+中陣安定型 | 攻守バランス型 | 前陣速攻寄り |
GIは球持ち・安定、AIはバランス、GOはスピード寄り、と位置付けが明確に分けられています。同じ価格帯なので、選び分けは「どこで勝負したいか」「自分のフォームの完成度」を軸にすると失敗しにくいです。
価格・購入先
希望小売価格は16,500円(税込)。ミドル~ハイクラスの価格帯ですが、馬琳監修の特殊素材ラケットとしては妥当なレンジです。
| 購入先 | 特徴 |
|---|---|
| Amazon | 在庫が安定しPrime対応。複数のグリップ形状から選べる |
| 楽天市場 | ポイント還元、ショップ独自の重量指定がある場合も |
| 卓球専門店 | 重量指定、グリップ形状の握り比較、ラバーとの相性相談が可能 |
このクラスのラケットになると、重量とグリップの個体差で扱いやすさが大きく変わります。可能であれば、卓球専門店で重量を指定するか、現物の握り比較をしてから決めるのが安全です。
まとめ:リゾネイトGIはこんな人に買ってほしい
リゾネイトGIは、「特殊素材ラケットの暴れを抑えつつ、現代卓球に必要な弾みは確保したい」と考える中上級者に、明確な答えを返してくれる1本です。インナーGカーボンの球持ちと安定性は、台上技術や中陣でのラリー継続力を一段引き上げてくれます。
スピード一発で押し切るパワー型ドライブマンには物足りないかもしれませんが、それは設計思想の外側です。サーブ・レシーブから3球目・4球目までを丁寧に組み立てる現代の戦い方にハマる選手なら、長く付き合える1本になります。シリーズ内のAI/GOと迷うなら、自分が「安定」「バランス」「スピード」のどれを最も欲しているかを基準に選ぶといいでしょう。
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