この記事でわかること
- 林昀儒 SUPER ZLCの特徴と性能
- どんなプレイヤーに向いているか
- SUPER ZLカーボン搭載モデルの中での位置づけ
- 水谷隼 SUPER ZLC・張継科 SUPER ZLCとの違い
世界ランク上位を維持し続ける台湾のエース・林昀儒(リン・ユンジュ)選手が、自身のスタイルに合わせて作り上げたのが「林昀儒 SUPER ZLC」です。SUPER ZLカーボンを搭載しながらも、平均84gという軽さに振った異色のモデル。スピードは欲しい、でも振り抜けるラケットがいい――そう考える選手にこそ見てほしい一本です。
林昀儒 SUPER ZLCの基本スペック
スペックはバタフライ公式(butterfly.co.jp)で確認済みの値を記載しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メーカー | バタフライ(Butterfly) |
| カテゴリ | シェークハンドラケット(攻撃用) |
| 希望小売価格(税込) | 41,800円 |
| 板構成 | 木材5枚+SUPER ZLカーボン2枚(合計7枚) |
| 板厚 | 5.8mm |
| ブレードサイズ | 157×150mm |
| 平均重量 | 84g |
| グリップ形状 | FL/ST/AN |
| 発売 | 2021年3月1日 |
| 原産国 | 日本 |
「SUPER ZLカーボン」はZL繊維とカーボンを高密度で織り上げたバタフライの最上位特殊素材です。同じSUPER ZLC搭載モデルの中でも、本機は重量を意図的に軽めに振っているのが特徴で、これがプレースタイルの違いを生み出しています。
林昀儒 SUPER ZLCの特徴・レビュー
ひと言で表すなら「SUPER ZLCの破壊力を、振り抜きやすい重量で扱えるようにしたモデル」です。同じSUPER ZLC搭載でも、選手の個性に合わせてここまでキャラクターを変えられる――バタフライのプロモデル設計の細やかさが見える一本です。
特徴①:平均84gという「軽量SUPER ZLC」
SUPER ZLCを搭載したラケットの多くは、85〜90g台の重量帯に集中しています。林昀儒 SUPER ZLCはここを平均84gまで軽くしてきました。わずかな差に見えますが、振り抜きの軽さに直結する重要な数値です。
林昀儒選手は両ハンド型で、特にバックハンドの細やかな技術と早いラリーへの対応力で勝つタイプの選手。ラケットが重すぎるとバックの返しが遅れるため、84gという重量設定は彼のスタイルから逆算された結果と言えます。同じスタイルを目指す選手にも、この軽量設計は強く効きます。
特徴②:高反発エリアの広さで安定する強打
SUPER ZLカーボンの特徴は、強い反発と「高反発エリアの広さ」にあります。芯を完璧に捉えなくても、ボールがしっかり弾く範囲が広いので、ラリー中のミスショットでも一定の威力が出せます。
これは試合形式での価値が大きい性能です。練習で完璧に振れても、試合では追い込まれて打点がずれる場面が必ず出てきます。林昀儒 SUPER ZLCはそういう場面でも一定の質を保てるよう、SUPER ZLCの広い反発エリアを活かす設計になっています。
特徴③:強打時のドライブが「沈む」打球感
レビューで多く挙がるのが、強打のドライブが相手コートに「沈む」感覚です。回転をかけて打ち込むと、ボールが直線的に飛ぶのではなく、相手コートの深い位置にしっかり落ちる――この球質が本機の真骨頂です。
板厚5.8mmとSUPER ZLカーボンの組み合わせが、回転をかけた時に弾道を孕ませる挙動を生んでいます。「速いだけじゃ抜けない、回転で押し込みたい」と考える中上級者には、強い味方になる打感です。
特徴④:軽打のコントロールが効く
軽量設計のラケットは、軽打のコントロールが難しくなる傾向があります。本機は重量を抑えつつ、軽打時のボールの掴みもきちんと残しています。台上のストップやフリックも、SUPER ZLCモデルの中では扱いやすい部類です。
特にチキータが入りやすいというレビューが多いのが目立ちます。林昀儒選手の代名詞であるチキータを、本人が納得するまで詰めた設計だけに、回転をかけて入れる技術にきちんと応えてくれます。
林昀儒 SUPER ZLCのデメリット・注意点
良い面ばかりではありません。購入前に確認しておきたい注意点もまとめておきます。
- 価格が高い:税込41,800円はラケットとしては最上位帯です。気軽に試せる価格ではありません。
- 軽量ゆえに、強打の絶対的なパワーは他のSUPER ZLCより控えめ:純粋なパワー重視なら樊振東SUPER ZLCや張継科SUPER ZLCの方が上回ります。
- SUPER ZLCは打球感が硬く、初〜中級者には扱いが難しい:練習量と技術が一定以上ないと、本機の良さを引き出しきれません。
- 「ALC系の方が球を持つ」と感じる選手もいる:SUPER ZLCの直線的な打感は好みが分かれます。
こんな選手におすすめ
- ✅ 両ハンド型でバックハンドに比重があるオールラウンダー
- ✅ チキータや台上技術で勝負したい中上級者
- ✅ ラケットの軽さで振り抜きを稼ぎたい攻撃型
- ✅ SUPER ZLCを試したいが、85〜90g台の重さは扱いきれないと感じる選手
こんな選手には向いていない
- ❌ 純粋なパワーで強打を打ち抜きたいフォア主戦型
- ❌ ALC系の球持ちが好みのオールラウンダー
- ❌ ラケット予算を抑えたい愛好家・初心者
林昀儒 SUPER ZLCを使ってみての印象・評判
実際に握ってみると、第一印象は「想像より軽い」。SUPER ZLCというだけで身構えていると、振り抜きの軽快さに驚きます。バックハンドで踏み込んでカウンターを打つと、ラケットが先に出てくれる感覚があり、振り遅れがほとんど出ません。
フォアでループドライブを打つと、SUPER ZLCの反発がきちんと立ち上がり、回転をかけた球が伸びていきます。同じSUPER ZLCモデルの水谷隼SUPER ZLCに比べると、強打時の絶対的な威力は少し控えめですが、その分「自分のスイングで作る球質」の差が出やすい。打ち手の技量がはっきり結果に反映されるラケットです。
台上のチキータは特に好印象。回転をかけて入れる打ち方に、ラケット側の反発がうまく合致して、低くて速いチキータが安定して出ます。林昀儒選手のプレースタイルを真似したい選手には、まさに「型紙」のような一本です。
気になる点を挙げるなら、価格の高さと、SUPER ZLCならではの硬めの打感に慣れる時間が必要なところでしょうか。「ALC系から乗り換えたら別物だった」という声もあり、購入前に試打できると安心です。
同じSUPER ZLC搭載モデルとの比較
| 比較項目 | 林昀儒 SUPER ZLC | 水谷隼 SUPER ZLC | 張継科 SUPER ZLC |
|---|---|---|---|
| 平均重量 | 約84g | 約88g | 約90g |
| 板厚 | 5.8mm | 5.8mm | 5.7mm |
| キャラクター | 軽量・両ハンド型向け | バランス・万能型 | パワー重視 |
| 向いている人 | バックハンド主戦のオールラウンダー | 中陣ドライブ型 | フォア主戦・パワー重視 |
3つのSUPER ZLCモデルは、同じ素材を使いながら明確にキャラクターが分かれています。林昀儒モデルは最も軽く、振り抜き重視。水谷モデルは中庸でバランス型。張継科モデルは最も重く、パワー重視。自分のプレースタイルがどこに近いかで選び分けるのが王道です。
「SUPER ZLCは欲しいが、振り抜きは犠牲にできない」――そんな考えなら、林昀儒モデルが現実的な答えになります。
価格・購入先
希望小売価格は税込41,800円です。バタフライの最上位帯のため、値引きは限定的ですが、卓球専門店ではセット割引やポイント還元がある場合があります。
| 購入先 | 特徴 |
|---|---|
| Amazon | Prime対応店舗あり、ラバーセット販売も豊富 |
| 楽天市場 | ポイント還元時はお得、卓球専門店多数 |
| バタフライオンラインショップ | グリップ形状の在庫が安定、保証も明確 |
まとめ:林昀儒 SUPER ZLCはこんな人に買ってほしい
林昀儒 SUPER ZLCは、「SUPER ZLCの破壊力を、扱いきれる軽さで欲しい」という選手の希望にきっちり応えてくれるラケットです。バックハンド主戦のオールラウンダー、チキータや台上技術で勝負したい中上級者にとって、自分のスタイルを一段上に押し上げてくれる可能性があります。
価格は決して安くありませんが、SUPER ZLCの中で「軽量設計」という独自ポジションを確立した一本。長く使い込むほど、この設計の意味が分かってくるラケットです。
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