この記事でわかること
- アウターフォース ZLCの基本スペックと構造的な特徴
- ZLカーボンをアウターに配置することで生まれる打球感と性能
- どんなプレイヤーに向いているか、逆に向いていないか
- 実際に使った際の印象と、よく語られる評判
- アウターフォース ALCおよびインナーフォース レイヤー ZLCとの違い
「ZLカーボンのラケットって気になるけど、弾みすぎてコントロールできるか不安」——そう感じている中上級者は少なくないはずです。バタフライのZLCシリーズは弾みが強いイメージがあり、実際そのとおりではあるのですが、アウターフォース ZLCはそのなかでも扱いやすさを意識して作られた一本です。ZLカーボンをアウター(表板すぐ内側)に配置しながら、威力とコントロールのバランスをきちんと整えています。
この記事では、アウターフォース ZLCのスペック・打球感・おすすめプレイヤー像を整理し、競合モデルとの比較も交えながら、購入判断の材料になる情報をまとめました。
アウターフォース ZLCの基本スペック
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メーカー | バタフライ(Butterfly) |
| カテゴリ | シェークハンドラケット(攻撃型) |
| 希望小売価格(税込) | 23,650円 |
| 板構成 | 木材5枚合板 + ZLカーボン2枚(アウターファイバー) |
| ブレードサイズ | 157×150mm |
| ブレード厚 | 5.9mm |
| 平均重量 | 約85g |
| 反発特性 | 11.3 |
| 振動特性 | 11.1 |
| グリップ種類 | FL / ST / AN |
| グリップサイズ(FL) | 100×25×34mm |
| グリップサイズ(ST) | 100×23×28mm |
| グリップサイズ(AN) | 100×25×34mm |
アウターフォース ZLCの特徴・レビュー
一言で言うなら「アウターZLCらしい弾きの鋭さを、コントロールの範囲内で楽しめるラケット」です。弾みが暴れるというよりは、打つほどに手応えとして威力が感じられる、そういう仕上がりになっています。
① ZLカーボンをアウターに配置した弾きの鋭さ
ZLカーボン(ズィロン繊維+カーボンのハイブリッド素材)は、バタフライのラケット素材のなかでもとくに高い反発性と硬さを持つ素材です。これをブレードの外側(アウターファイバー)に配置することで、ボールが当たった瞬間の弾きが非常にクリアになります。
インナー配置のラケットはボールを「持って」から飛ばす感覚があるのに対し、アウターフォース ZLCはより直線的でシャープな球離れが特徴。フォアのドライブやスマッシュでボールを叩くように打つと、弾道が低く鋭い弧線になりやすく、相手コートへの食い込みがよい球が出ます。スピードボールで打ち合いに持ち込みたい選手にとって、これは大きな武器になります。
反発特性11.3という数値は、バタフライのラケットラインナップのなかで上位に入るレベルです。ただし、飛びすぎてオーバーミスが頻発するほど暴れるわけではなく、ブレード厚5.9mm・平均85gというバランスが絶妙に弾みを抑えています。
② アウターでありながら抑えられたオーバーミスのしやすさ
アウターファイバーのラケットは「飛びすぎて難しい」という声をよく耳にします。アウターフォース ZLCも確かに弾むのですが、ブレード構成が木材5枚+ZLC2枚という割合によって、純粋な弾みの暴力的な感覚は和らいでいます。
実際に打ってみると、ミート打ちでもドライブでも、スイング量を落としたときにもそれなりにボールを飛ばせます。その一方で、フルスイングしたときはビシッと威力あるボールが出る——この両立ができているのが、アウターフォース ZLCの一番の特徴です。
よく挙がる感想として「アウターにしては飛び過ぎず、コントロールしやすかった」というものがあります。ZLCの反発を活かしながらも、日常の実戦レベルで扱いきれる設計になっています。
③ 台上技術との相性のよさ
ブレード厚5.9mmというのは、カーボンラケットとしてはやや薄めです。薄い分だけボールとブレードの接触時間が長めになる傾向があり、フリック・チキータ・ストップといった台上技術でも球持ちの感覚を得やすくなっています。
「アウターZLCなのにチキータが打ちやすい」という印象を持つ選手は少なくありません。弾みが強い素材を使いながら台上での処理がしっかりできるという点は、現代卓球において非常に実用的です。ショートや押しといったシンプルな技術でも安定感があり、前陣でのプレーに困ることは少ないでしょう。
④ 約85gという扱いやすい重量
特殊素材入りラケットとしては85gはやや軽めの部類に入ります。重いラケットほど打球に重さが乗るという話もありますが、その分スイングスピードが落ちやすいというデメリットもあります。アウターフォース ZLCはスイングスピードを確保しながら弾みのよさを活かせる重量設定で、振り抜きのしやすさに直結しています。
高回転ドライブを連打するスタイルでも疲れにくく、試合終盤でもスイングが安定しやすいという利点もあります。
アウターフォース ZLCのデメリット・注意点
正直に書いておきます。どんな選手にも合うラケットではありません。
- 打球感がダイレクトすぎてブロックがやりにくいことがある:アウター仕様は球離れが速いため、ブロックのような止める技術では弾きすぎを感じる場合があります。コントロール重視のブロック主体の選手には向かないかもしれません。
- 初心者には扱いが難しい:ZLカーボンの反発をコントロールするには、ある程度の技術基盤が必要です。スイングの方向がブレやすい初心者にとっては、オーバーミスが増えてしまう可能性があります。
- 価格が高め:希望小売価格23,650円(税込)は、エントリーモデルと比べると明らかに高額です。ラバーも含めると総額が大きくなるため、コスト面が気になる方には検討が必要です。
- ALCよりも安定感でやや劣る:ZLCはALCに比べて硬めの素材です。どうしても弾みが強く出るため、ドライブの安定感という観点ではALC系ラケットにやや分があります。
こんな選手におすすめ
- 中上級者でZLカーボンの高い反発性を活かしたスピード卓球をしたい選手
- アウターラケットを使ってみたいが、弾みすぎるのが不安な選手(アウターの入門としても機能する)
- 前陣でのフリックやチキータを多用しながら、バックドライブやスマッシュでも威力を出したい選手
- ドライブ主体で連打を続け、低い弧線のスピードドライブで相手を押し込みたい中陣型の選手
- テナジーやディグニクスなどの高性能ラバーと組み合わせて、用具全体の性能を引き出したい選手
こんな選手には向いていない
- 初心者、または卓球を始めて間もない選手:ZLCの反発はコントロールしきれない可能性が高いです。
- カット主戦型・ブロック主戦型の選手:守備的なプレーに特化したスタイルとは根本的に相性が悪いです。
- 木材の打球感にこだわりがある選手:アウターZLCの弾きはかなりシャープで、木材の柔らかい球持ちとは大きく異なります。
アウターフォース ZLCを使ってみての印象・評判
実際に打ってみると、まず感じるのが「球離れのシャープさ」です。フォアドライブを打ったとき、ボールがビシッと走る感覚があり、カウンター場面や引き合いでのラリーで特に威力を実感しやすいです。ラリー速度が速くなるほど、このラケットのよさが際立ってきます。
台上技術についても、思ったより扱いやすいというのが使い込んでいくうちに出てくる感想です。アウターZLCと聞くとチキータやフリックが難しいイメージがありますが、ブレード厚が5.9mmとやや薄めに設定されていることもあって、短い動作でもボールを操作する感覚をきちんと得られます。
一方で、ブロックや受け系の技術では弾きすぎを感じやすい場面も出てきます。ループドライブをブロックで返す際などに、ボールが飛び出すタイミングの調整が必要になることがあります。最初の慣れが必要な局面ではあります。
ポジティブな評価として「ZLCらしい打球感がしっかりあるのに、疲れてきても安定して打てる」という声がよく挙がります。攻めのスタイルでありながら、長い試合でも安定したプレーを保てる設計です。
アウターフォース ALCとの比較
| 比較項目 | アウターフォース ZLC | アウターフォース ALC |
|---|---|---|
| 価格(税込) | 23,650円 | 20,350円 |
| 板構成 | 木材5枚 + ZLC2枚(アウター) | 木材5枚 + ALC2枚(アウター) |
| 弾み | 強め(ZLC) | 標準的(ALC) |
| 打球感 | シャープで鋭い弾き | 弧線が出やすく安定 |
| おすすめ選手 | スピードを重視する中上級者 | バランス重視の中級者 |
アウターフォース ALCはALC素材(アリレートカーボン)を採用した同シリーズの下位モデルです。ALCはZLCよりも柔らかく、木材に近い打球感が得られます。弧線も出やすく、ドライブを安定してかけ続けたい選手に向いています。
一方でZLCはALCより明らかに弾みが強く、球が低く走る傾向があります。スピードを前面に出して相手を崩すスタイルなら ZLC、安定感と威力のバランスを大切にするならALCという選択が自然です。価格差は約3,000円ほどで、スペックの差を考えると ZLCはコストパフォーマンス面でも一定の納得感があります。
インナーフォース レイヤー ZLCとの比較
| 比較項目 | アウターフォース ZLC | インナーフォース レイヤー ZLC |
|---|---|---|
| ZLC配置 | アウターファイバー(外側) | インナー(木材に近い側) |
| 打球感 | 直線的・弾き重視 | 弧線・ボールを持つ感覚 |
| ボールの軌道 | 低く速い弧線 | やや高めで回転量が乗りやすい |
| コントロール | 慣れが必要 | 扱いやすい |
| おすすめ選手 | スピード型・前陣速攻 | ドライブ安定型・中陣向け |
インナーフォース レイヤー ZLCはZLC素材をより木材に近い位置(インナー)に配置したモデルです。インナー配置にすることで、ZLCの高い弾性が木材層によってマイルドにコントロールされ、弧線が出やすく球持ちの感覚が増します。
アウターフォース ZLCの鋭い弾きと比較すると、インナーフォース レイヤー ZLCはより回転重視でループドライブや巻き込みドライブが安定します。対してアウターフォース ZLCは、スマッシュやカウンタードライブのような「叩く」技術で真価を発揮します。どちらを選ぶかは、プレースタイルの軸となる技術によって決まります。
価格・購入先
希望小売価格は23,650円(税込)です。ただし、Amazon・楽天市場などのECサイトでは17,000円前後で購入できることがあります。
| 購入先 | 特徴 |
|---|---|
| Amazon | 最安値になりやすい、Prime対応で翌日配送も可能 |
| 楽天市場 | ポイント還元でお得になることも。ショップによってポイント倍率が異なる |
| 専門店(卓球専門ショップ) | 試打サービスがある場合も。購入前に手に取れる |
まとめ:アウターフォース ZLCはこんな人に買ってほしい
アウターフォース ZLCは「アウターカーボンのシャープな弾きを、実戦で扱える範囲に収めた」ラケットです。ZLカーボンの鋭い打球感と高い反発性を活かしながら、オーバーミスが頻発するほど暴れないという絶妙なバランスが魅力です。
前陣で速い展開を主体にしている中上級者、スピードドライブやミート打ちで相手を押しきりたい選手にとって、これほど信頼できるアウターラケットはなかなかありません。「ZLCに興味はあるけどアウターはきつそう」と感じていた選手にこそ試してほしい一本です。
ラバーはテナジー05やテナジー64、ディグニクス09Cなど高性能なテンション系ラバーとの相性が特によいとされています。自分のプレースタイルに合わせてラバーを選ぶと、このラケットのポテンシャルをより引き出せます。
価格は決して安くありませんが、用具の質を求める段階に入った選手ならば、投資する価値は十分にあります。

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