この記事でわかること
- JUICテナムの基本スペックと「竹製ラケット」の特性
- 軽量・球持ち重視のラケットを探している人に合うかどうか
- 異質ラバーやカットマンとの相性
- バンブーショットの後継としての位置づけ
- 似たコンセプトの軽量・しなり系ラケットと迷ったときの判断軸
「市販の5枚合板を試したけれど少し重く感じる」「軽くて柔らかい打球感のラケットを探している」「異質ラバーや粒高と相性のいい木材ラケットを知りたい」。テナムはこういった悩みを持つ人にとって、一度は触れておきたい一本です。竹を素材に使った珍しい設計と、JUICらしい個性のある仕上がりを、用具マニアの目線でフラットにレビューします。
JUICテナムの基本スペック
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メーカー | JUIC |
| カテゴリ | シェークラケット(攻撃用、適性ALL) |
| 希望小売価格(税込) | 8,250円 |
| 素材 | 5枚合板(竹材使用) |
| ブレードサイズ | 縦155mm × 横152mm |
| ブレード厚 | 6.2mm |
| 平均重量 | 74g ± 10 |
| 打球感 | S(ソフト) |
| グリップ | FL(フレア) |
| 公認 | JTTA公認ラケット |
| 発売 | 2022年3月 |
定価8,250円は、5枚合板ラケットのなかでは中堅クラスの価格帯です。実勢価格は卓球専門ショップで5,000円台後半〜6,000円台になることが多く、コストパフォーマンスは悪くありません。
ポイントは、74g前後という重量と「打球感S」の組み合わせ。一般的な国産5枚合板はおおむね80g台中心なので、テナムは明らかに軽量寄りに振ったラケットだとわかります。
JUICテナムの特徴・レビュー
テナムを一言で言うなら、「軽くて柔らかい、現代の5枚合板」です。竹を素材に使うことで、薄板にせずとも軽量化を実現し、5枚合板特有のしなりと球持ちはむしろ強化された。そんなキャラクターのラケットです。
特徴①:竹素材ならではの軽量設計
最大の個性は、なんといっても竹を素材に採用している点です。市販の卓球ラケットで竹材を使ったものは現状ほぼ見当たらず、テナム以外に選択肢がないと言っていい立ち位置にあります。
竹は木材としてはもともと比重が軽く、しなりに富んだ素材。これをそのまま卓球ラケットに転用することで、ブレード厚6.2mmという標準的な厚みを保ったまま、74g前後という軽量を実現しています。
「軽量を狙うと薄板になり、薄板にすると弾みが落ちる」というのが、これまでの5枚合板の宿命でした。テナムはこの常識を、素材から見直して解決したラケットだと言えます。振り抜きの軽さと、合板らしい厚みからくる安心感を両立しているのは率直に面白い。
特徴②:球持ちの良さと柔らかい打球感
打球感は公式表記の通り「S(ソフト)」。実際に当ててみると、竹特有のしなりがしっかり感じられます。
球が一瞬ラケットに乗ってから飛び出すような、いわゆる「球持ちのいい」感覚に近い。ループドライブで弧線を作ったり、ツッツキで回転をかけ直したりするときに、玉を運びやすいタイプです。
弾く打ち方をしても、薄板ラケットのように弾道が暴れることはありません。柔らかいけれど芯がしっかりある、というのがテナムの打球感を表現するときに近い言葉になります。ペチペチした安っぽい柔らかさではなく、合板全体でしなって戻ってくる感触に近いと考えてください。
特徴③:異質ラバー・粒高との相性が良い
JUICが公式に「攻撃+守備のカットマンから、異質ラバーを駆使する前陣速攻の選手にまで」と打ち出している通り、テナムは異質型や守備型の選手と相性がいい設計です。
具体的には次の理由が挙げられます。
- 柔らかいブレードのため、相手の回転を吸収しやすく粒高でブロックが止まりやすい
- 軽量なのでバック面に粒や表ソフトを貼っても、フォア面に裏ソフト(特厚)を貼ったときの重量バランスが崩れにくい
- 弾みすぎないため、強い回転がかかった打球を受けても面が暴れにくい
特に「フォア裏・バック粒」型の前陣異質攻守型と、「両面異質+カット」型の中後陣カット型、どちらにも対応できる柔軟さがあります。粒高や表ソフトを使う人にとっては、選択肢として有力な木材ラケットの一つです。
特徴④:「バンブーショット」の後継としての位置づけ
テナムはJUICがかつて販売していた「バンブーショット」の後継モデルにあたります。バンブーショットも竹材を使ったラケットで、当時のユーザーから根強い支持を集めていたモデルです。
今のテナムは、バンブーショット時代の設計思想を引き継ぎつつ、現代のプラスチック球とラバー事情に合わせてアップデートされた一本だと考えてください。
「昔バンブーショットを使っていて、また竹のラケットに戻りたい」というベテラン層から、「竹のラケットってどんな感じ?」と興味を持った新規層まで、入口の広いラケットです。
JUICテナムのデメリット・注意点
軽くて扱いやすい反面、テナムには明確に「合わない使い方」もあります。誇張せずに書いておきます。
- 球質が軽くなりやすい:ラケット自体が軽いため、思いっきり振っても重い球は出にくい。パワーで押し切るドライブ型には物足りなさが残る
- 後陣からの引き合いには不利:弾みは標準的な5枚合板程度。中後陣で打ち合う展開だと、球の伸びでカーボン系ラケットに押される場面が出てくる
- 重量の個体差が大きい:「74g±10」というスペック表記が示す通り、64g〜84gまで個体差が大きい。軽さを期待して買ったら84gだった、という可能性もゼロではないので、可能なら店頭で重量を確認したい
- 使用者が少なく、レビュー情報が見つけにくい:竹製ラケットというニッチさゆえ、ネット上の試打レビューや使用報告が限られる。情報を集めながら使いたい人には少し不便
特に1点目の「球質の軽さ」は、テナムを語るうえで避けて通れないポイントです。コントロール性能と引き換えに、決定力は控えめになる。これは設計上の必然です。
こんな選手におすすめ
✅ 既存の5枚合板(オールラウンドエボリューションなど)が「重い」と感じる中級者・ジュニア・女性プレーヤー
✅ 異質ラバー(粒高・表ソフト・アンチ)を使う前陣攻守型、または攻撃+守備のカットマン
✅ コントロール重視で、安定して入れることを優先したいオールラウンダー
✅ 柔らかいしなりと球持ちを生かしたループドライブを打ちたい選手
✅ 人と違う素材のラケットを使いたい、用具好きのプレーヤー
こんな選手には向いていない
❌ 強打で押し切る前陣・中陣ドライブマン:球質の軽さがそのままパワー不足につながる
❌ 中後陣で大きく振り回したい両ハンドドライブ型:弾みが標準的なため、後ろから攻めるには球速が足りない
❌ 硬めの打球感が好みのプレーヤー:竹のしなりが「フワッ」とした感触に感じられる可能性がある
JUICテナムを使ってみての印象・評判
実際に打ち込んでみると、まず最初に来るのは「軽い」という感覚です。両面に厚〜特厚のラバーを貼っても、トータル重量が抑えられるため、振り抜きが圧倒的に楽。これは、振り遅れに悩む層にとって明確なメリットになります。
打球感は終始柔らかく、ボールがブレードに乗ってから飛び出す感覚があります。前陣のブロック・ストップ・ツッツキといった台上技術はとくに安定しやすく、回転をかけ直す動作がやりやすい。粒高や表ソフトで止めるブロックも、面さえ合えばよく止まります。
強粘着系のラバーを貼ったときの相性も悪くありません。重いラケット+強粘着の組み合わせだと振り抜けない人でも、テナムなら振り切れて、強粘着の回転量を引き出せる場合があります。組み合わせの選択肢が広いのは、テナムを評価したい点です。
一方で気になるのは、ボールが軽く感じる点です。同じスイングをしても、85gある重量級ラケットと比べると、相手コートで球が伸びにくい。これは欠点というより「設計上の特徴」なので、軽量化のメリットとセットで受け入れる前提で選びたいラケットです。
似たコンセプトのラケットとの比較
テナムを検討する人が、同時に候補にあがりやすいラケットと比べてみます。
| 比較項目 | テナム(JUIC) | スワット(TSP) |
|---|---|---|
| 価格帯(税込) | 8,250円 | 6,050円 |
| 素材 | 竹5枚合板 | 木材5枚合板 |
| 重量 | 74g ± 10 | 86g前後 |
| 打球感 | ソフト | やや硬め |
| 球持ち | 強い | 標準 |
| 向いている選手 | 軽量重視・異質・カット | バランス重視の攻撃型 |
スワットは5枚合板の定番中の定番ですが、80g台中盤の重量が標準で、ラバーを貼ると全体で170g前後になることもあります。「振りやすさ最優先」「異質や粒高との相性」を求めるなら、テナムの方が条件に合います。逆に、「攻撃型の標準仕様」を求めるならスワット系の方が無難です。
| 比較項目 | テナム(JUIC) | ヒノキ3(JUIC) |
|---|---|---|
| 価格帯(税込) | 8,250円 | 9,900円 |
| 素材 | 竹5枚合板 | ヒノキ3枚合板 |
| 重量 | 74g ± 10 | 70g前後 |
| 弾み | 標準的 | やや控えめ |
| 球持ち | 強い | 強い |
| 個性 | 竹特有のしなり | ヒノキの柔らかさ |
JUIC内で軽量・柔らかい打球感を求めるなら、ヒノキ3も候補になります。ヒノキ3は弾みがやや控えめなので、より「コントロール最優先」の選手向け。テナムは標準合板に近い弾みも残しているため、攻撃も視野に入れたい人にはテナムの方が向いています。
価格・購入先
テナムの定価は8,250円(税込)ですが、卓球専門の通販ショップでは6,000円前後で販売されているケースが多く、ネット購入の方が安く手に入ります。
| 購入先 | 特徴 |
|---|---|
| Amazon | Prime対応で配送が早く、ポイントも付きやすい |
| 楽天市場 | 卓球専門店が複数出店しており、ポイント還元日を狙うと実質値引きが大きい |
通販で買う際は、可能であれば「重量指定可」のショップを選ぶことをおすすめします。テナムは個体差が±10gあるため、軽さを求めて買うなら70g前後、安定感を求めるなら78g前後、と用途に応じて狙いをつけたい。
まとめ:JUICテナムはこんな人に買ってほしい
テナムは、ピーキーな性能を求める競技志向のドライブマン向けではありません。一方で、
- 5枚合板の感触は好きだが、重さに振り回されたくない
- 異質ラバーや粒高、表ソフトと組み合わせて安定感が欲しい
- カットマン仕様まではいかないが、守備寄りの組み立てをしたい
- 用具マニアとして、人と違う素材のラケットを試したい
このいずれかに当てはまる人にとっては、十分に検討する価値のあるラケットです。
「軽くて球持ちのいい5枚合板」というカテゴリで、ここまで個性的な選択肢は他にほぼありません。バンブーショット時代のファンはもちろん、現代の異質型・カットマンにも、選択肢として知っておきたい一本です。
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