この記事でわかること
- 水谷隼 ZLCの特徴と性能
- どんなプレイヤーに向いているか
- ZLカーボン搭載モデルの中での位置づけ
- 水谷隼 SUPER ZLC・インナーフォース レイヤー ZLCとの違い
東京五輪で歴史的なメダルを獲得した水谷隼選手のシグネチャーモデル「水谷隼 ZLC」。アウター位置にZLカーボンを配置しながら、しなりと球持ちを残した独自設計が特徴です。前陣から中陣まで戦える幅広さで、長く支持され続ける一本の魅力をひも解きます。
水谷隼 ZLCの基本スペック
スペックはバタフライ公式(butterfly.co.jp)で確認済みの値を記載しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メーカー | バタフライ(Butterfly) |
| カテゴリ | シェークハンドラケット(攻撃用) |
| 希望小売価格(税込) | 27,500円 |
| 板構成 | 木材5枚+ZLカーボン2枚(合計7枚) |
| 板厚 | 5.7mm |
| ブレードサイズ | 157×150mm |
| 平均重量 | 88g |
| 反発特性 | 11.8 |
| グリップ形状 | FL/ST/AN |
| 原産国 | 日本 |
「ZLカーボン」はZL繊維とカーボンを組み合わせたバタフライの特殊素材です。SUPER ZLカーボンより目が粗めで、その分しなりが残る――この特性が「速さと球持ちの両立」を実現しています。
水谷隼 ZLCの特徴・レビュー
ひと言で表すなら「ZLカーボンの直線的な弾みに、板厚5.7mmの薄さで生まれる『しなり』を加えた、現代攻撃卓球の万能型」です。アウターカーボンとしての攻撃力と、薄板特有の球持ちが同居する珍しい設計が魅力です。
特徴①:板厚5.7mmが生む「しなり」と回転
ZLカーボン搭載モデルとしては板厚5.7mmはやや薄め。この薄さが、強打時に板全体がしなる挙動を生み出します。「ZLCは硬い」というイメージを持っていると、実際に振った時の柔らかい打感に驚くはずです。
板がしなることで、ボールがブレード面に乗っている時間が長くなり、回転をかけやすくなります。ループドライブで上回転をかけた時、ZLカーボンの反発がしっかり立ち上がる前に「しなりで球を持つ」という瞬間があり、これが本機独自の球質を生んでいます。
特徴②:軽くて扱いやすい88g
平均重量88gは、両ハンド型のラケットとして扱いやすい範囲です。軽すぎず重すぎず、振り抜きとパワーのバランスが取れた設計になっています。
水谷隼選手は「前陣から中陣まで幅広く戦う」スタイルで知られていました。バックハンドの戻りが速く、フォアの強打もしっかり振れる――こうした幅広いプレースタイルを支えるための重量設計が、本機の魅力です。
特徴③:直線的だけど暴れない弾道
ZLカーボンの特徴は、ボールが直線的に飛ぶこと。本機もアウターのZLCらしく、強打時の弾道は低くて速く、相手の時間を奪う一打を作りやすいです。
ただし「直線的=暴れる」ではないのが本機の妙。板厚5.7mmのしなりが、強打時に弾道を孕ませる効果があり、ネットを越えた後にしっかり台に落とす挙動を見せます。直線的なスピードと回転で押し込む球質――まさに水谷選手のスタイルそのものを再現しています。
特徴④:振動が少ない柔らかい打感
ユーザーレビューで多く挙がるのが、「ZLCなのに手に振動が伝わらない」という感想です。これは ZLカーボンの素材特性と、5.7mmという薄板設計の相乗効果と言えます。
振動が少ないと、長時間の練習でも手のひらの疲労が溜まりにくいです。試合中も繊細な打感を感じ取れるので、台上の細かいプレーが安定します。「ZLCは硬すぎる」と敬遠してきた選手にとって、本機は意外な選択肢になり得ます。
水谷隼 ZLCのデメリット・注意点
良い面ばかりではありません。購入前に確認しておきたい注意点もまとめておきます。
- 板厚5.7mmは薄めの部類:強打時の絶対的なパワーはSUPER ZLC系より控えめです。
- アウターのZLCに慣れていないと、最初は飛ばしすぎる傾向:軽打でもボールが伸びるので、コントロールに慣れる時間が必要です。
- 価格が上位帯:税込27,500円は気軽に試せる価格ではありません。
- 「水谷隼モデル」という個性が強い:他の選手に憧れて買うと、自分のスタイルとの乖離を感じる場合があります。
こんな選手におすすめ
- ✅ 前陣から中陣まで幅広く戦うオールラウンダー
- ✅ ZLCの直線的なスピードと、しなりの球持ちを両立したい中上級者
- ✅ 88g前後の重量を扱える両ハンド型
- ✅ 水谷隼選手のプレースタイルを目指す選手
こんな選手には向いていない
- ❌ 純粋な強打のパワーを求めるハードヒッター(SUPER ZLCの方が向く)
- ❌ 板厚6mm前後の厚板に慣れている選手
- ❌ ラケット予算を抑えたい愛好家・初心者
水谷隼 ZLCを使ってみての印象・評判
実際に振ってみると、第一印象は「ZLCにしては明らかに球が乗る」。アウターのZLCというだけで身構えていると、板厚5.7mmのしなりが生む球持ちに驚きます。フォアでループドライブを打つと、しなりで一瞬球を持ってから、ZLCの反発で前に飛んでいく――この二段階の挙動が本機独自の魅力です。
バックハンドカウンターは、軽量設計と振動の少なさのおかげで、コンパクトに当てるだけでも安定した返球が作れます。相手の上回転に対する対応力が高く、ラリー中の主導権を取りやすい設計です。
台上のストップやフリックも自然に止まるので、ZLCの硬さを警戒していると拍子抜けします。「ZLCはハードヒッター向け」というイメージを覆す、繊細な打感を持った一本です。
気になる点を挙げるなら、強打の絶対的なパワーはSUPER ZLC系には及ばないこと。ただ、これは「球質と幅広さを取るか、絶対的なパワーを取るか」という選択の話で、本機は前者に振った設計です。
兄弟・競合モデルとの比較
| 比較項目 | 水谷隼 ZLC | 水谷隼 SUPER ZLC | インナーフォース レイヤー ZLC |
|---|---|---|---|
| 価格帯(税込) | 27,500円 | 38,500円 | 23,100円 |
| カーボン位置 | アウター | アウター | インナー |
| 素材 | ZLC | SUPER ZLC | ZLC |
| 板厚 | 5.7mm | 5.8mm | 5.9mm |
| 平均重量 | 88g | 88g | 89g |
| 打感 | しなりと反発の両立 | より強い反発 | より柔らかい |
| 向いている人 | 万能型・両ハンド型 | パワー重視 | コントロール重視 |
水谷隼 ZLC は、SUPER ZLC のパワーとインナーフォース レイヤー ZLC のコントロールの「中間」に位置する設計です。「SUPER ZLC は硬すぎる」「インナーフォースは威力が足りない」と感じる選手にとって、ちょうど良い選択肢になります。
価格は SUPER ZLC より約1万円安く、性能のバランスが良いことから「コスパの良い ZL カーボンラケット」として選ばれることが多い一本です。
価格・購入先
希望小売価格は税込27,500円。バタフライの上位帯ですが、定番モデルのため流通が安定しており、Amazon・楽天市場・卓球専門店のいずれでも入手しやすいラケットです。
| 購入先 | 特徴 |
|---|---|
| Amazon | Prime対応店舗多数、ラバーセット販売も豊富 |
| 楽天市場 | ポイント還元時はお得、卓球専門店多数 |
| バタフライオンラインショップ | グリップ形状の在庫が安定 |
まとめ:水谷隼 ZLCはこんな人に買ってほしい
水谷隼 ZLC は、「ZLC の直線的な攻撃力と、薄板特有のしなりを両立した」現代攻撃卓球の万能型ラケットです。前陣から中陣まで幅広く戦いたいオールラウンダー、両ハンド型の中上級者にとって、長く付き合える一本になります。
水谷隼選手のスタイルに憧れる選手はもちろん、「SUPER ZLC は硬すぎた」「インナーは威力が物足りない」と感じてきた選手にとっても、ちょうど良い答えになる可能性が高いラケットです。
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