この記事でわかること
- 樊振東 ZLCの特徴とZLカーボンが生む性能
- どんなプレイヤーに向いているか(スタイル・レベル別)
- 打球感・使用感のリアルな評価
- 樊振東 SUPER ZLCとの違いと選び方
バタフライが誇る世界ランキング1位の選手・樊振東選手(ファン・ジェンドン)の名を冠したシリーズラケット。その中でも「樊振東 ZLC」は、ZLカーボンをアウターに配置した攻撃用モデルとして2022年にリリースされました。
「攻撃力が欲しいけどコントロールも捨てたくない」という中上級者が一度は気になるラケットです。この記事では、スペックと打球感を軸に、実際のプレーにどう影響するかを具体的にお伝えします。
樊振東 ZLCの基本スペック
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メーカー | バタフライ(Butterfly) |
| カテゴリ | 攻撃用シェーク(アウターZLカーボン) |
| 希望小売価格(税込) | 27,500円 ※公式HP未確認(検索結果より) |
| 板構成 | 5枚合板 + ZLカーボン(アウター) |
| 板厚 | 5.6mm |
| 反発特性 | 11.7 |
| 振動特性 | 10.8 |
| 平均重量 | 86g(CSグリップは81g) |
| ブレードサイズ | 157×150mm |
| グリップ種類 | FL(フレア)/ ST(ストレート)/ CS(中国式) |
| 発売時期 | 2022年 |
樊振東 ZLCの特徴・レビュー
一言で言うなら、「威力を求めながらも安定感を手放したくない選手のためのアウターカーボン」です。ZLカーボンラケット特有の弾みの良さを持ちながら、板厚5.6mmという薄さがほどよいしなりを生み、カーボン系ラケットとは思えない安定感を実現しています。
特徴① ZLカーボンがもたらすスピードと安定感の両立
ZLカーボン(Zylon Carbon)は、アラミド系繊維と炭素繊維を組み合わせた特殊素材です。通常のカーボンと比べて、弾みながらも適度な球持ちがあり、「飛びすぎる」という感覚が出にくいのが特徴です。
反発特性11.7は、バタフライのラケットラインナップの中では中〜高位の数値です。数字だけ見ると「かなり弾む」印象を受けますが、実際に打ってみると板のしなりがその弾みをうまく抑えてくれる感覚があります。スマッシュやフラット気味のドライブで球速を出しつつ、コントロールが乱れにくい。これがこのラケットのコアにある性能です。
特徴② 板厚5.6mmが生むコントロール性能
アウターカーボンラケットは一般的に板が厚く、弾みが強すぎてコントロールが難しいという印象があります。しかし樊振東 ZLCの板厚は5.6mmと比較的薄め。この薄さが「板がしなる」感覚を生み、打球時に食い込みとしなりが発生することで、回転もかけやすくなります。
チキータやバックハンドドライブの際、ZLカーボンでありながら回転がしっかりかかると感じる人が多いのは、この板厚の薄さと素材特性の組み合わせによるものです。コントロール系の技術も想定以上に使いやすいと感じられるはずです。
特徴③ 前陣〜中陣での高い打球点プレーに対応
樊振東選手のプレースタイルを踏まえた設計もあり、前陣から高い打球点で両ハンドを展開するプレーヤーに向いた特性を持っています。球速と回転のバランスが取れており、短い距離でのラリーでも威力が出しやすいです。
木材ラケットに比べて打球スピードが明確に出るため、コンパクトなスイングでも得点につながる打球が生まれます。現代卓球のトレンドである「前陣での速攻展開」を実践したい選手にとって、実戦的な性能です。
樊振東 ZLCのデメリット・注意点
正直にデメリットも伝えます。このラケットが「誰にでも合う万能品」ではないことは把握しておきましょう。
デメリット①:前陣で棒球になりやすい場面がある
前陣での高い打球点プレーが得意な反面、あまりに近い位置から棒球気味に振ってしまうと、弧線が出る前に直線的に飛んでネットにかかることがあります。ZLカーボンの直線的な弾道は、慣れていない選手には「コントロールしづらい」と感じる場面も出てくるでしょう。
デメリット②:中陣〜後陣での威力に物足りなさを感じる可能性
板厚5.6mmは薄めのアウターカーボンですが、その分、後陣から強打する際の球速・威力という意味では上位モデルの樊振東 SUPER ZLCや他の厚板カーボンには届きません。後陣での攻撃力を最優先にするなら、SUPER ZLCを検討する余地があります。
デメリット③:価格帯がやや高め
希望小売価格は約27,500円(税込)と、日本国内での競技用ラケットとしても上位の価格帯です。初めてカーボンラケットを試したい選手には、もう少し手頃な入門グレードのカーボンラケットから始める方が賢明かもしれません。
こんな選手におすすめ
- 前陣〜中陣でチキータや両ハンドドライブを多用する攻撃型選手
- テンション系ラバーとの組み合わせで攻撃力を最大化したい中上級者
- 木材ラケットから一歩上の威力を求めてカーボンへステップアップしたい選手
- コントロールを犠牲にせずにスピードを上げたいバランス型プレイヤー
こんな選手には向いていない
- 初心者・初級者:弾みが強く、コントロール習得の妨げになりかねない
- 後陣からの強打を主体とするパワー型選手:上位モデルの方が威力が出やすい
- 粘着系ラバーとの相性を重視したい選手:ZLカーボンの弾みが粘着系のニュアンスを消しやすい
樊振東 ZLCを使ってみての印象・評判
打ってまず感じるのは、「カーボンなのにコントロールしやすい」という意外性です。アウターカーボンと聞くと「ガチガチに硬くて弾む」というイメージを持つ方も多いのですが、このラケットはそのイメージより大分マイルドです。
ドライブを打った際の球の軌道が、アウターカーボンにしては弧線を描きやすいと感じます。板がしなる感覚があるので、回転をかけながらスピードを出すという、現代卓球の理想的な打球感に近いものがあります。よく耳にするのが「思っていたより振りやすい」という言葉で、初めてこのラケットを手にした中上級者の多くが、想定外のコントロール性に驚く印象があります。
気になる点を挙げるとすれば、台から離れた位置でのブロックや抑えるプレーの場面です。弾みが強めのため、引き付けて面を作る繊細なプレーには、慣れが必要です。また前述のとおり、前陣でコンパクトに当てる場面では直線的な弾道になりやすく、ネットミスには注意が必要です。
樊振東 SUPER ZLCとの比較
| 比較項目 | 樊振東 ZLC | 樊振東 SUPER ZLC |
|---|---|---|
| 価格帯(税込) | 約27,500円 | 約30,250円 |
| 板構成 | 5枚合板 + ZLカーボン | 5枚合板 + スーパーZLカーボン |
| 板厚 | 5.6mm | 5.6mm |
| 反発特性 | 11.7 | 12.3 |
| 振動特性 | 10.8 | 11.1 |
| コントロール性 | ZLCシリーズ内では高め | 若干弾みが強め |
| スイートスポット | 標準 | やや広め |
| こんな人向け | 攻撃力とコントロールのバランス重視 | さらなる弾みと攻撃力を求める選手 |
どちらを選ぶかは、「今の自分がコントロール力をどれだけ重視するか」で決まります。SUPER ZLCは反発特性12.3と、ZLCより一段上の弾みを持ちます。その分、スイートスポットも広くなり、豪快に振り切れる選手には向いています。一方でZLCは、弾みをもう少し抑えめにしながら、自分のスイングでコントロールしたいという選手向け。価格差が約2,750円あることも考えると、まず樊振東ラケット初挑戦という場合はZLCから試してみるのが無難です。
価格・購入先
市場価格は税込27,000〜27,500円前後が目安です。AmazonやRakutenでは定価より若干安くなることもあります。
| 購入先 | 特徴 |
|---|---|
| Amazon | 最安値になりやすい、Prime会員ならスピード配送 |
| 楽天市場 | ポイント還元でお得になることも。セール時期を狙うと良い |
| 専門店(卓球屋・ゼビオ等) | 実物を手に取って確認できる。グリップ感を試したい場合に |
まとめ:樊振東 ZLCはこんな人に買ってほしい
樊振東 ZLCは、「アウターカーボンの攻撃力が欲しいけれど、コントロール性は捨てたくない」という中上級者にとって、実戦的な選択肢です。ZLカーボン特有の弾みと、板厚5.6mmがもたらすしなりが組み合わさることで、カーボンラケットにありがちな「飛びすぎる」という問題を緩和しています。
チキータや高い打球点でのドライブを軸にした現代的な攻撃スタイルとの相性は抜群です。木材からのステップアップを考えているなら、このラケットは有力候補に挙がります。逆に初心者や後陣から威力で押し切りたいパワー型の選手には、やや相性が合わない場面もあります。
迷っているなら、まず一度試打できる環境を探してみてください。打った瞬間に「あ、これだ」と思える可能性は十分にあります。

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