この記事でわかること
- ビスカリア SUPER ALCの特徴と性能
- どんなプレイヤーに向いているか
- 実際に使ってみての印象・評判
- 通常ビスカリアとの違いと選び方
「ビスカリアは好きだけど、もう少しパワーが欲しい」——そう思ったことはありませんか?
バタフライが2022年3月に発売した「ビスカリア SUPER ALC」は、長年愛され続けた名作ラケット『ビスカリア』の基本設計を受け継ぎながら、新素材「スーパーアリレートカーボン」を搭載し、弾みをさらに引き上げたモデルです。
名前を見ると「SUPER」の文字が目につきますが、単純に硬くして弾みを上げただけではありません。振動特性をほぼ変えずに反発特性だけを高めるという、かなり繊細なアップデートが施されています。
この記事では、スペックの解説から実際の使用感、通常のビスカリアとの比較、どんな選手に向いているかまで、できる限り具体的にお伝えします。購入を検討している方の参考になれば幸いです。
ビスカリア SUPER ALCの基本スペック
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メーカー | バタフライ(Butterfly) |
| カテゴリ | シェークハンドラケット(攻撃用) |
| 希望小売価格(税込) | 27,500円(税抜25,000円) |
| 発売日 | 2022年3月1日 |
| 板構成 | 5枚合板+スーパーアリレートカーボン(2枚) |
| 板厚 | 5.7mm |
| 重量 | 約90g(89g前後) |
| グリップ形状 | FL(フレア)/ST(ストレート)/CS(中国式) |
| 反発特性 | 12.1 |
| 振動特性 | 10.1 |
| 製造国 | 日本製 |
スーパーアリレートカーボンは、従来のアリレートカーボンよりも多くの繊維量を編み込むことで、より高い弾みを実現した新素材です。板構成はオリジナルのビスカリアと同じ5枚合板+カーボン2枚という基本構造を踏襲しており、使い慣れた感触を大切にしながら性能を底上げするというコンセプトで開発されています。
ビスカリア SUPER ALCの特徴・レビュー
一言で言うなら、「ビスカリアの打球感を持ちながら、より遠くまでボールが飛ぶラケット」です。これだけ聞くとシンプルに聞こえますが、実際に打ってみると想像以上の変化を感じられます。
スーパーアリレートカーボンがもたらす弾みの強化
ビスカリア SUPER ALCの最大の特徴は、なんといっても「スーパーアリレートカーボン」の搭載による高い反発性です。通常のアリレートカーボンと比較して繊維量が増えており、同じスイングをしても明らかにボールの飛距離が伸びます。
反発特性は12.1。バタフライの中でもトップクラスの数値で、ディグニクスシリーズのラバーとの組み合わせでは、中陣からのドライブが相手コートへ突き刺さるような直線的な弾道になりやすいです。バックハンドドライブでも力を出しやすく、とくに速いテンポで打ち合う展開では、このラケットの反発力が頼もしく感じられます。
ただし、この弾みの強さは「慣れが必要」という側面でもあります。通常のビスカリアから乗り換えた場合、最初は飛びすぎてオーバーミスが増えることがあります。ラバーの組み合わせを含めて、打球フォームを確認する時間が必要です。
広いスイートスポットと安定した軌道
打ち損じても「それなりに飛んでいく」という感覚は、このラケットを使っていると実感しやすいポイントです。スイートスポットが広く、少しラケットの端に当たってもイメージに近い弾道で飛んでくれます。
この安定感は、カーボンの素材特性と板の厚みのバランスによるものです。板厚5.7mmという設定は「薄すぎず厚すぎず」で、ボールが板に当たったときにしっかり食い込みながらも素早く弾き出す、中間的な打球感を作っています。フルスイングのドライブだけでなく、フリックやチキータなど台上プレーでも扱いやすいと感じる選手が多いのは、このスイートスポットの広さが一因でしょう。
球持ちと振動特性のバランス
「カーボンラケットは球が飛びすぎて回転がかけにくい」というイメージを持っている方も多いと思います。ビスカリア SUPER ALCは、その点をかなりうまく解決しています。
振動特性は10.1。この数値は通常のビスカリア(10.0)とほぼ変わらず、手に伝わる振動のパターンが似ているため、打球感のギャップが少ないです。板が適度にしなって、ボールを乗せてから飛ばすような感覚が残っているので、スピードドライブでも回転量を確保しやすい構造になっています。
もちろん、粘着ラバーとの相性を考えると話は変わってきます。しなりをしっかり感じたいなら、スポンジが柔らかめの粘着ラバー(キョウヒョウ系やディグニクス09C)と組み合わせると、ボールをためる感触が生まれやすいです。
台上プレーでの操作性
上の台から攻める選手にとっても、このラケットは悪くない選択肢です。チキータでボールをこすり上げたとき、適度に飛んでくれるため、台の内外で打点が多少ずれても対応しやすい。
ただし、先述の通りスイングが大きくなるほど弾みの強さが気になりやすくなります。台上プレーで安心感を得るためには、コンパクトなスイングをある程度意識する必要があります。フリックやストップの感覚は、慣れるまで少し時間がかかるかもしれません。
ビスカリア SUPER ALCのデメリット・注意点
正直にお伝えすると、このラケットが「合わない」と感じる選手は一定数います。
- 弾みが強すぎると感じる場合がある:通常のビスカリアからの乗り換えでは、オーバーが増える傾向があります。とくにフルスイングでのドライブ時に「飛びすぎ」を感じやすく、ラバーを柔らかめのものに変えるか、スイングを少し抑える意識が必要になることがあります。
- しなりの感触がやや薄い:ビスカリアのしなやかさが好きな選手には、「打球感が少し薄い」「ボールとの接触時間が短い」と感じることがあります。スーパーALCはより高反発な素材のため、ボールの乗り方が若干ドライになりやすいです。
- 価格が高い:税込27,500円という定価は、趣味の卓球としては決して安くはありません。ビスカリア(税込20,350円前後)と比較すると約7,000円の差があり、コスパ重視の選手には判断が分かれるところです。
こんな選手におすすめ
- 中上級者でさらなる攻撃力を求めているドライブ型選手:現状のラケットでは威力が物足りないと感じている方に、反発力の強化が直接的なメリットになります。
- 通常のビスカリアを使っていて、より弾みが欲しいと思っている選手:打球感のコンセプトが共通しているため、乗り換えの違和感が最小限に抑えられます。
- 中陣から強打を多用するスタイルの選手:両ハンドドライブの威力を上げたい選手に向いています。後ろで打ち合うような展開でも反発力が活きます。
- ディグニクス05やディグニクス09Cとの組み合わせを試したい選手:上位ラバーの性能を最大限に引き出せる、高反発なラケットが必要な方にフィットします。
こんな選手には向いていない
- ボールをしっかり乗せてから飛ばしたい選手:ビスカリアのようなしなやかさを重視するなら、通常ビスカリアの方が感覚に合いやすいです。
- コントロール重視の初心者・中級者:弾みが強いため、ミスが増えやすく、上達の妨げになる場合があります。まずはビスカリアや弾みが控えめなラケットで基礎を固めることをおすすめします。
- カットマン・守備型の選手:攻撃特化の設計のため、守備的なプレースタイルには不向きです。
ビスカリア SUPER ALCを使ってみての印象・評判
実際に打ってみると、まず感じるのは「弾きの速さ」です。アリレートカーボンのしなやかさを残しながらも、ボールがラケット面を離れるスピードが通常のビスカリアより明らかに速い。フォアのカウンタードライブや、バックハンドの鋭いクロスなど、スピード系の技術でその恩恵が感じやすいです。
よく挙がるのが「台上でも思ったより使いやすい」という声です。これだけ弾みが強いラケットなら台上は難しいのでは?と思う方も多いと思いますが、スイートスポットの広さと適度なボール保持感のおかげで、チキータやフリックがイメージ通りに打ちやすいと感じる選手が多いようです。
一方で、気になる点として挙がるのが「打球感の薄さ」です。ビスカリアの「しなって弾く」ような感触を期待すると、やや物足りなく感じることがあります。特にスピードより回転重視のドライブをかけたいシーンでは、板のたわみが少ない分だけ自分でスイングスピードを出す必要があります。ラバーをディグニクス09Cなどの粘着系にすると、この問題をある程度カバーできます。
ビスカリア(通常版)との比較
| 比較項目 | ビスカリア SUPER ALC | ビスカリア(通常版) |
|---|---|---|
| 板構成 | 5枚合板+スーパーALC | 5枚合板+ALC |
| 板厚 | 5.7mm | 5.8mm(※公式HP未確認) |
| 重量 | 約90g | 約89g |
| 反発特性 | 12.1 | 11.5(※公式HP未確認) |
| 振動特性 | 10.1 | 10.0(※公式HP未確認) |
| 定価(税込) | 27,500円 | 20,350円前後 |
| こんな人向け | より威力を求める中上級者 | ビスカリアの打球感を純粋に楽しみたい選手 |
どちらを選ぶかは、「現状の威力に物足りなさを感じているか」が判断のポイントになります。
ビスカリアにある程度慣れていて、「もう少し飛ばしたい」「スピードを上げたい」と思っているなら、SUPER ALCへのアップグレードは自然な流れです。一方で「ビスカリアの打球感が好き」「しっかりボールを乗せてから打ちたい」という方は、通常版のままでも十分な性能があります。価格差が約7,000円あることも含めて、現在の自分のプレースタイルと照らし合わせて判断してください。
価格・購入先
希望小売価格は税込27,500円(税抜25,000円)です。Amazonや楽天市場では時期によって15〜20%程度割引された価格で販売されていることも多く、2万円を切る場合もあります。
| 購入先 | 特徴 |
|---|---|
| Amazon | 最安値になりやすい、Prime対応で翌日配送も可能 |
| 楽天市場 | ポイント還元でお得になることも。セール時期は要チェック |
| バタフライ公式オンラインショップ | 正規品・全グリップタイプの在庫確認に便利 |
まとめ:ビスカリア SUPER ALCはこんな人に買ってほしい
ビスカリア SUPER ALCは、名作ビスカリアの後継として十分な完成度を持つラケットです。スーパーアリレートカーボンによる反発力の強化は数字以上に実感できるレベルで、中陣からのドライブや速いテンポの打ち合いで威力を発揮します。
スイートスポットの広さと、ビスカリア譲りの扱いやすさもそのまま引き継いでおり、「パワーを上げたのにコントロールが難しくなった」という不満が出にくい設計になっています。
ただし、通常ビスカリアのしなやかな打球感を好む選手や、コントロール重視のプレースタイルには合わない場合もあります。実力のある選手が「次のステップ」として選ぶには適していますが、初級〜中級者が最初から手にするには少々扱いが難しいかもしれません。
卓球歴がある程度あり、ビスカリアを使ったことがある、またはカーボンラケットに慣れているという方には自信を持っておすすめできます。試す価値があります。

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