この記事でわかること
- 樊振東 ALCの基本スペックと板構成の特徴
- アリレートカーボンが生み出す打球感と性能のリアルな評価
- どんなプレイスタイル・レベルの選手に向いているか
- ビスカリアとの比較——何が同じで何が違うか
- 相性のいいラバーの選び方
卓球用ラケットを選ぶとき、「世界ランク1位が使っているモデルを試してみたい」と思ったことはないでしょうか。バタフライが2022年9月にリリースした『樊振東 ALC』は、オリンピック金メダリスト・樊振東選手の名を冠した本格仕様のアウターカーボンラケットです。
ビスカリアと同じ板構成をベースにしながら、グリップ設計や重心バランスで独自の個性を持つこのラケット。「アウターカーボンなのに意外と球持ちがいい」「コントロールのしやすさに驚いた」という声が多く、中上級者を中心に高い評価を集めています。
この記事では、スペックの詳細から実際の使用感、ビスカリアとの違い、合わせるラバーの選び方まで、購入を検討しているあなたが知りたい情報をまとめました。
樊振東 ALCの基本スペック
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メーカー | バタフライ(Butterfly) |
| 商品名 | 樊振東 ALC(ファンジェンドン ALC) |
| カテゴリ | ラケット(シェークハンド) |
| 希望小売価格(税込) | 19,800円 |
| 板構成 | アリレートカーボン2枚 + 木材5枚合板(計7枚) |
| 板厚 | 5.8mm |
| 平均重量 | 87g(FLグリップ)/ 82g(CSグリップ) |
| グリップ形状 | FL(フレア)・ST(ストレート)・CS(チャイナストレート) |
| 発売時期 | 2022年9月 |
樊振東 ALCは、アリレートカーボン(ALC)を合板の外側に配置した7枚合板ラケットです。板厚5.8mmはビスカリアと同様で、グリップはFL・ST・CSの3種類が用意されています。平均重量はFLグリップで87g。適切な重量感があり、スマッシュやドライブ系の技術でしっかりとした球を打ちやすい設計です。
樊振東 ALCの特徴・レビュー
一言で表すなら「扱いやすさを失わないアウターカーボン」です。アウターカーボンと聞くと「球離れが速くてコントロールが難しい」というイメージを持つ方も多いですが、このラケットはその常識を少し覆してくれます。
① ビスカリアと同構成ながら、独自の重心バランスが個性を生む
樊振東 ALCの板構成はビスカリアと同じアリレートカーボン外付けの7枚合板です。一見「ビスカリアと同じじゃないか」と思われるかもしれませんが、グリップ設計と重心バランスに違いがあります。
このラケットはグリップが厚めに設計されており、重心がグリップ側(手元側)に寄っています。一般的にアウターカーボンは先端重心になりやすく、打球時のパワーは出やすい反面、スイングの戻りが遅くなりがちです。樊振東 ALCは手元重心のため、スイングしたあとの戻りが早く、連続技術や切り替えがしやすいのが特徴です。
「ビスカリアより少し重いのにふり心地がいい」という感覚はここから来ています。同じ重量でも重心の位置によって振り心地は大きく変わります。
② アウターなのに「球持ちが良い」という意外な特性
アウターカーボンラケットは一般的に球離れが速く、ドライブ時の引っかかりが弱くなる傾向があります。ところが樊振東 ALCは「球持ちが意外と良い」という声が多く挙がります。
これはアリレートカーボンという素材の特性によるところが大きいです。アリレートカーボンはスチフネス(硬さ)と弾性のバランスが良く、カーボン特有の硬い弾き感を抑えつつ、弾みを確保する素材として知られています。このラバーとの接触時間の確保が、「インナーカーボンに慣れている人でも違和感が少ない」という評価につながっています。
「インナーフォース ALC からの乗り換えでも、思ったより打感の変化が少なかった」という意見があるのも、この球持ちの良さからです。
③ 多様なプレイスタイルに対応するオールラウンドな性能
樊振東 ALCは特定のプレイスタイルに特化した尖った性能ではなく、攻守のバランスに優れた設計になっています。フォアドライブはもちろん、バックハンドでの連打やブロック、チキータなど多彩な技術を安定して使えます。
また、組み合わせるラバーの選択肢が広いのも魅力のひとつ。テンション系はもちろん、粘着系との相性も良く、中国式ラバーを使いたいがアウターカーボンでコントロールしたいというプレイヤーには特に試してほしい一本です。
樊振東選手自身も粘着系ラバーを使用することで知られており、このラケットが粘着ラバーとの相性を考えて設計されているのは自然なことです。
樊振東 ALCのデメリット・注意点
正直に言うと、このラケットが全員に合うわけではありません。購入前に把握しておきたいデメリットを挙げます。
- 一発の威力では先端重心モデルに劣る場合がある:手元重心の設計はふり心地の良さに貢献しますが、ループドライブや強打の破壊力という点では、先端重心のラケットに一歩及ばないと感じる選手もいます。「威力でねじ伏せる」よりも「安定して打ち続ける」プレイを好む方に向いています。
- グリップが太く感じる場合がある:グリップ設計が厚めなため、手が小さい選手や細めのグリップに慣れている選手は違和感を覚えることがあります。購入前に試打できる環境があれば確認することをおすすめします。
- 価格が高め:19,800円という価格設定はバタフライ製品の中でも上位に位置します。初めてアウターカーボンに挑戦する方には、もう少し入門的な価格帯のラケットから試すという選択肢もあります。
こんな選手におすすめ
- ✅ 中上級者で安定感と攻撃力を両立したい選手:アウターカーボンの弾みを活かしつつ、コントロールも維持したい方に最適です。
- ✅ インナーカーボンからステップアップしたい選手:球持ちの良さがあるため、インナー系ラケットから移行するときの「最初の一歩」として違和感が少ないラケットです。
- ✅ 粘着系ラバーを使いたいがアウターで弾みを出したい選手:粘着ラバーの回転性能を生かしながら、アウターカーボンの弾みで打球速度を補えます。
- ✅ 切り替えが多い前陣〜中陣のオールラウンドプレイヤー:手元重心の設計がスイングの切り返しをしやすくし、連続技術に対応しやすい特性があります。
こんな選手には向いていない
- ❌ とにかく一撃の破壊力にこだわる後陣ドライブ型:最大威力を追求するなら、より先端に重心がある攻撃特化モデルを検討した方がよいかもしれません。
- ❌ グリップが細いラケットを好む選手:このラケットのグリップ設計は太めです。手の小さい方には合わないと感じるケースがあります。
- ❌ 価格を抑えたい初中級者:ラケット本体に19,800円を投じるなら、ラバー選定やフォーム練習への投資を優先した方が上達に直結する場合もあります。
樊振東 ALCを使ってみての印象・評判
実際に打ってみると、まず気づくのは「アウターカーボンにしては球を持つ感覚がある」という点です。テンション系ラバーを組み合わせると弾みと引っかかりのバランスが取りやすく、フォアドライブで自信を持って振れる感覚があります。
よく耳にする言葉は「ビスカリアと比べてコントロールしやすい」という評価です。板構成は同じでも、グリップの太さや重心バランスの違いがプレーの安定感に影響しています。特に、前後の切り替えが多い戦型のプレイヤーからは「ラリーが続けやすい」という声が出やすいラケットです。
一方、気になる点を挙げるとすれば、最大スイングでの球の伸びという部分です。先端重心のラケットに比べると、インパクトの瞬間の「抜ける感じ」が少ないため、強打の威力をとことん追求したい選手には物足りなさを感じる場面があるかもしれません。ただ、それは裏を返せば「コントロールを失わずに攻め続けられる」ということでもあります。
ディグニクス05やディグニクス09Cとの組み合わせは、このラケットの特性をよく引き出す定番の選択です。粘着性ラバーとの相性も良く、キョウヒョウシリーズなどを貼っているプレイヤーにも支持されています。
ビスカリアとの比較
購入を検討している方の多くが「ビスカリアとどう違うのか」を気にしています。同じ板構成なのに何が違うのか、表にまとめました。
| 比較項目 | 樊振東 ALC | ビスカリア |
|---|---|---|
| 希望小売価格 | 19,800円 | 18,700円 |
| 板構成 | ALC外付け7枚 | ALC外付け7枚 |
| 板厚 | 5.8mm | 5.8mm |
| 平均重量 | 87g(FL) | 86g(FL) |
| 打球感 | 柔らかめ・球持ちあり | 弧線が出やすい |
| 重心位置 | グリップ寄り(手元重心) | やや先端寄り |
| グリップ設計 | 厚めでしっかり握れる | 標準的 |
| こんな人向け | 安定感と威力のバランス重視 | 弧線の質を重視 |
板構成は同じアリレートカーボン外付けの7枚合板ですが、グリップ設計と重心バランスで性格が分かれます。ビスカリアは弧線が出やすく、一発のスピードボールを打ちやすい設計。樊振東 ALCは手元重心で切り替えが楽で、コントロールを意識したプレイがしやすい設計です。
「威力をとことん追求したい」ならビスカリア、「安定して打ち続けたい」「切り替えを多用する」なら樊振東 ALCという判断基準が一つの目安になります。また、「ビスカリアは使いこなせなかった」というプレイヤーが樊振東 ALCに乗り換えて満足しているケースは少なくありません。
価格・購入先
希望小売価格は19,800円(税込)です。実勢価格はAmazonや楽天市場でも18,000〜20,000円前後で推移しており、定価からの大幅な値引きは少ないモデルです。バタフライの主力ラインナップとして安定した流通量があるため、在庫切れを心配する必要はほとんどありません。
| 購入先 | 特徴 |
|---|---|
| Amazon | 最安値になりやすい、Prime対応で送料無料 |
| 楽天市場 | ポイント還元でお得になることも、セール時要チェック |
| 卓球専門店 | 試打が可能な場合あり。グリップのフィット感を確認するなら◎ |
まとめ:樊振東 ALCはこんな人に買ってほしい
樊振東 ALCは「扱いやすさを保ちながらアウターカーボンの弾みを手に入れたい」選手のための一本です。ビスカリアと同じ板構成でありながら、手元重心のグリップ設計によって切り替えのしやすさとコントロール性を高めています。
中上級者で初めてアウターカーボンに挑戦する方、またはインナーカーボンからのステップアップを考えている方には特におすすめです。粘着ラバーとの相性も良く、組み合わせの幅が広いことも魅力のひとつ。
「ビスカリアとどちらにするか迷っている」という方は、より安定感を重視するなら樊振東 ALC、威力と弧線の質を優先するならビスカリアという基準で選んでみてください。
価格は19,800円とやや高めですが、バタフライの主力ラインナップとして品質は確かです。世界王者の名を冠したこのラケットで、自分のプレーを一段引き上げてみる価値はあります。

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